今回編集部が取り上げるのは、サークル「nikukyu」が手がけるスマホ向けガンアクションアダルトゲーム「Blood Rose~パンデミックの究明~」である。630本という販売実績と、32件の評価を集めて4.28点という高評価は、同ジャンルの競合作品が林立するなかでも、本作がいかに丁寧に作り込まれているかを物語っている。本誌がこの作品に注目した理由は単純だ——ゾンビもの×スパイアクションという組み合わせが、同人ゲームの世界でこれほどの完成度を持って提示されることは、そう多くない。
物語の舞台は、バイオハザードが発生してからX日後の世界である。感染拡大は収束の兆しを見せつつあるものの、その発端——すべての災厄の原因——は依然として闇の中に沈んでいる。英国の諜報部隊はある仮説に行き着く。極東の国に住まう一人の博士が、パンデミックの引き金を引いた可能性があるという。だが未だ終息していない感染地帯へ派遣できる人材は極めて限られている。こうして白羽の矢が立ったのが、部隊随一の身軽さと慎重さを兼ね備えた女性エージェント「ロゼッタ・アルドリッジ」だ。
相棒「オルトン・ザカライア」の無線サポートを背に受けながら、ロゼッタは単身で博士の屋敷へと乗り込む。この構図はシンプルでありながら、緊張感を醸成するうえで非常に効果的だ。孤立した女性エージェント、謎に包まれた施設、いつ何が出現するかわからない恐怖——ホラーとスパイスリラーの要素が巧みに融合し、プレイヤーを画面に引きつけ続ける。単なるエロゲーの外枠としての物語ではなく、ストーリー自体がきちんとした骨格を持っていることが、評価点の高さにも直結しているとみて間違いない。
ゲームプレイの核心はガンアクションである。スマホという操作環境においてアクションゲームを成立させることは、開発側にとって一つの難関だ。にもかかわらず本作はキーコンフィグおよびゲームパッドコンフィグを実装しており、プレイヤーが自分の手に合った操作体系を選べる柔軟性を備えている。フルスクリーンモードの対応もあり、スマホならではの没入感を損なわない設計への意識が随所に感じられる。メッセージスキップ機能も搭載されており、繰り返しプレイ時のストレスを軽減するという、ユーザー体験への配慮も見逃せない点だ。
本作の大きな特徴のひとつが「ダメージ脱衣」システムである。戦闘の緊張と官能的な演出が連動する仕組みは、ホラーアクションというジャンルのもつ「追い詰められる恐怖」と直結している。やられてしまうことへの焦りが、ゲームとしての緊張感に性的な興奮を重ね合わせる構造は、単純なようでいて実はゲームデザインとして高度な工夫を要する。ゾンビ・異種えっち・命令/無理矢理といったジャンルタグが示す通り、シチュエーションは過激かつ多様に用意されており、プレイヤーの嗜好に応じた引きを複数持っている。
さらに「処女クリア可」という仕様を明記している点は、編集部として特筆したい。これはシナリオの分岐やエンディングの設計が単一ではないことを示唆するとともに、プレイスタイルの選択肢をプレイヤーに委ねるという作り手側の姿勢の現れでもある。ノーダメージを意識した緊張感あるプレイと、あえて被ダメージを享受する快楽的プレイ——その両方が成立する設計は、リプレイアビリティを高め、長く遊ばれる作品になる条件を満たしている。
4.28点という評価は、32件という決して少なくない評価母数のなかで維持されたスコアであり、一発の熱狂的な支持ではなく、継続的な満足の積み重ねによって裏打ちされた信頼性の高い数字だ。ガンアクション×ホラー×アダルトという複合ジャンルを、スマホという限られたフィールドで成立させたnikukuyuの手腕は、同人ゲーム界における技術的・表現的な一つの到達点として、本誌は高く評価する。ゾンビパンデミックの真相を追うロゼッタの孤独な戦いは、プレイヤー自身の緊張と興奮を媒介として、確かな爪痕を残すはずだ。
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