【スマホ版】異世界に送り込まれた挙句モンスター娘達に犯されるRPG

Circle: RR研究会Release: 2024/04/19
★ 3.85(60 reviews)Sales: 676

今回編集部が取り上げるのは、RR研究会による「異世界に送り込まれた挙句モンスター娘達に犯されるRPG」スマホ版である。タイトルそのものがすでに作品の核心を語り尽くしているという潔さ、そしてその内実がタイトル以上に充実しているという事実が、本誌がこの作品を特集対象として選んだ最大の理由だ。

同人ゲーム市場において「逆レイプ」「モンスター娘」を掲げた作品は決して少なくない。しかし676本という販売実績と、60件の評価から算出された3.85点というスコアは、ただ題材の珍しさだけで達成できる数字ではない。評価件数が一定数を超えたうえでの3点台後半という水準は、同ジャンルの中でも実質的な手応えを備えた作品であることを如実に示している。編集部が数ある同人ゲームの中からこの一作を選んだのは、その数字の重みを見逃せなかったからでもある。

本作の物語は、特殊な能力を持つ主人公が現世に倦み、みずから禁断の行動に踏み切るところから始まる。その行動の結果として主人公が辿り着くのが、モンスター娘たちが跋扈する異世界だ。転移物のフォーマット自体はよく知られたものだが、本作が一線を画すのはその転移後の立場にある。主人公はいわゆる「強くなって無双する」側ではなく、迫り来るモンスター娘たちの餌食となる側に据えられている。「逆転無し」というジャンルタグが示す通り、本作は最後まで主人公の劣勢が覆らない構造を貫いており、それがプレイヤーの没入感を担保する核となっている。

戦闘システムの設計にも、RR研究会の確かな作り手としての意識が滲み出ている。本作が採用するのはMPを消費するかたちで複数行動が可能なターン制バトルだ。主人公も敵も、MPが尽きるまでは何度でも行動を続けることができる。これにより、単純な「攻撃→被弾→繰り返し」という平板なやり取りではなく、一ターン内での戦略的な行動選択が求められる。MPをどの行動に配分するか、状態異常を受ける前にどれだけ積極的に動くか、といった判断が戦闘ごとに問われる構造は、RPGとしての骨格をしっかりと持っているといえる。

さらに注目すべきは「負けても進める安心設計」という一点だ。戦闘に敗北した場合もストーリー上は勝利したことになり、シナリオが滞ることなく進行する。これは単なる難易度の調整にとどまらない。本作のジャンルが「逆転無し」「逆レ」「男性受け」であることを踏まえれば、この設計はむしろ積極的な意味を持つ。負けることそのものをコンテンツの一部として機能させ、プレイヤーが意図して敗北を選び、その後の展開を楽しむことができる。戦略的に勝利を目指すことも、あえて状態異常漬けにされる体験を求めることも、ともに本作の楽しみ方として成立しているのである。

ビジュアル面を担うのはイラストレーター・切麦わかめ氏であり、テキストおよび総まとめを織歌海豚氏が手がけている。モンスター娘というジャンルはキャラクターの造形によってその魅力が大きく左右される。本作においてもイラストの質はプレイ体験と不可分であり、人外ならではの異形の美しさとその行為の逸脱性が両立するよう丁寧に描かれているという点は、評価点数の裏付けとして説得力を持つ。テキストとビジュアルの分業が明確にされており、各々の専門性が作品全体のクオリティを底上げしている体制も、同人ゲームとして評価に値する要素だ。

スマホという媒体を選んだことにも触れておきたい。PCに向かって据え置きでプレイするのとは異なり、スマートフォンでのプレイは場所を選ばず、かつよりパーソナルな体験として作品世界への没入を深める効果がある。本作のような「主人公が追い詰められていく」物語構造は、外部を遮断した密室的なプレイ環境との親和性が高く、スマホ版という選択はそのコンセプトとよく噛み合っている。

編集部として総評すれば、本作は「逆レイプ×モンスター娘×RPG」という題材を表層的に消費するにとどまらず、戦闘システムの設計とシナリオ進行の構造、そして制作体制の分業という三つの柱によって、ジャンル作品として誠実に作り込まれた一本である。販売数と評価が示す信頼は伊達ではなく、このジャンルに興味を持つ読者であれば手にとって損のない作品といえるだろう。

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