【スマホ版】Violated Princess

Circle: 思い出し笑いRelease: 2025/03/21
★ 4.74(247 reviews)Sales: 3,439

今回編集部が取り上げるのは、サークル「思い出し笑い」によるスマートフォン向け成人向けARPG、「Violated Princess」のスマホ版である。PC版で一定の評価を確立した本作が、プラットフォームを変えて再び注目を集めている。247件の評価から算出された4.74点という高得点、そして3,000本を超える販売数は、同ジャンルの同人ゲームとして見ても際立った実績だ。本誌が今月の特集として取り上げるに値する、完成度の高い一本である。

本作の骨格を語る上で避けて通れないのが、そのゲームデザイン思想だ。多くの同系統ゲームが「淫乱度」というパラメータを設けてHイベントの解放を制限するのに対し、本作はそのような仕組みを一切持たない。プレイヤーは最初から最後まで、自らの意志でイベントへアクセスできる。敗北しても即ゲームオーバーにならず、ストーリーがそのまま進行する設計も同様の思想に根ざしている。これは単なる利便性の問題ではない。「エロに集中できる」という制作者の哲学が、ゲームの隅々にまで浸透しているのである。

主人公はグラツィア大公家の令嬢、セレナ。天才的な才能を持ちながら、孤独な屋敷暮らしの中でペットのユニコーンだけを心の慰めとしてきた少女だ。そのユニコーンが何者かに盗み出されたことから、彼女の冒険は始まる。高い学識と貴族としての強烈な自負心を持つ令嬢という設定は、本作のジャンル——羞恥・恥辱・屈辱——と鋭く呼応している。誇り高い存在が打ち砕かれていく様を描くことで、物語は単なるシーン集以上の重みを獲得しているのだ。

視覚表現の密度もまた、本作を語る上で欠かせない要素だ。100パターンを超える立ち絵・エロCG・歩行グラフィックが惜しみなく用意されており、全編ドットで描かれるHイベントはそのときのプレイング状況を細かく反映して変化する。「ボテ腹状態」でのプレイングがゲーム全編を通じて可能であり、ほぼすべてのエロイベントに対応分岐が存在するという徹底ぶりも見逃せない。50項目を超えるエロステータスは単なる数値ではなく、セレナが経験したすべての出来事の記録として機能しており、その状態に応じた会話・セリフ分岐が物語の奥行きをさらに広げている。

人間を含む7種のモンスターとの妊娠・出産という要素も、本作の独自性として際立っている。出産画像は全種完備され、産まれた子供への授乳も可能。そして産まれた子供の記録が家系図として閲覧できる設計は、凌辱ゲームとしては異例の「継続性」を作品に与えている。プレイするたびに異なる歴史が刻まれていくこの仕組みは、リプレイバリューという点でも秀逸な発明だ。

戦闘システムはオーソドックスな俯瞰型ARPGを採用しており、基本的に高難度に調整されている。これもまた前述の設計思想に沿ったものだ——敗北が前提であるならば、戦闘はエロイベントへのアクセスを自然に促す装置として機能すればよい。難易度を「ゲームとしての歯応え」のためではなく、「ゲームプレイ全体のリズム」のために用いるという発想は、同人ゲームの枠組みの中でも洗練されていると言える。さらに、やり込み次第では処女プレイも可能という幅の広さも備えており、プレイスタイルの多様性にも応えている。

スマートフォン版として再リリースされたことで、本作は新たな局面を迎えた。PC版を遊んでいた層が外出先でも継続して楽しめるようになったことはもちろん、本作を知らなかった層へのリーチも広がっている。3,439本という販売数は両プラットフォームを合算したものではなく、このスマホ版単独の数字である点を踏まえれば、その市場浸透力は一層鮮明になるだろう。

圧倒的なコンテンツ量、徹底した設計思想、そしてスマートフォンという新たな舞台——本作はただのPC版の焼き直しではない。ひとつの作品としての哲学が、プラットフォームを超えて完成度を保っていることを、本誌は高く評価する。同ジャンルの基準作として、これからも語られ続けるだろう一本だ。

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