今月の注目作として、「権力者の悪意」というタブーを正面から扱った問題作を紹介したい。サークル「一歩も下がるな!!!」が送り出す『聖隷戦姫クロエ』は、最強の戦姫を主人公に据えながら、その視点を「堕とす側のクズ権力者」に置くという逆転の発想で成立している。敵と内通して仲間を嵌め、勝利を重ねてきた女戦士の尊厳を徹底的に打ち砕いていくというダークなコンセプトは、ジャンルの定番を刷新する鋭い切れ味を持つ。
本作の真骨頂は、タワーディフェンス的なゲームシステムとストーリーの融合にある。マップ上にトラップや戦闘ユニットを配置し、ランダムに動くクロエを罠で捕捉するという戦略性は、単なるAVGとは一線を画す設計だ。クロエを弱体化させるために懲罰を与え、次の作戦で再び追い詰めるというサイクルが、「強さを削ぐ快感」というニッチな欲求を満たしてくれる。戦闘罠の多様さ(磔、拘束、粘着物質、人質など)が戦術の幅を広げ、繰り返しプレイを誘引する。
敗北した戦姫への「懲罰」という形式が、作品の倫理的・感情的なトーンを整えている点も興味深い。始めは巨大基地を単独制圧した無双のクロエが、徐々に雑魚にも苦戦するようになっていく堕落の過程は、「最強」というラベルが剥がれていくことの残酷な美しさを描く。調教・エロ装備・バステ付与という要求の多様性が、物語の進行に応じた段階的な崩壊を演出する。
読者に届けたい一作として、本作は「物語の重みを持つ堕落ものRPG」を求める方に強くお薦めしたい。基本CG22枚というコンパクトなボリュームでありながら、ゲーム開始直後から全シーン解放可能という配慮が示す通り、プレイヤーの時間を尊重する設計になっている。戦闘エロのスキップ・オート機能も搭載されており、テンポよく物語を追うことができる。3000件超のレビューと評価4.37が、このニッチなコンセプトがしっかりと支持されていることを示している。"}
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