今回編集部が取り上げるのは、ディーゼルマインが手がけるスマホ向け成人向けアクションゲーム「病みカワ リョナトラップダンジョン」である。販売本数1,529本、評価4.68点(65件)という数字は、このジャンルにおける一つの到達点として語るに十分な実績だ。
本作の核心にあるのは、「配信者」というモチーフの選択の巧みさである。メンヘラ気質を持ち、希死願望をネット上で公言しながらも「綺麗に死にたい」という言葉を繰り返す主人公・みねね。CVを担当する山田じぇみ子の演技は、その矛盾した内面を繊細かつ的確に体現しており、単なるやられ役としてではなく、一人の人格を持つキャラクターとして画面に息づかせることに成功している。自殺配信と称して樹海へ赴くというシチュエーション設定は、現代のネット文化と退廃的なファンタジーを接続する仕掛けとして機能しており、物語の導入としての説得力が高い。
ゲームシステムの面では、横スクロールのステージクリア型アクションを採用している点が特筆に値する。リョナコンテンツをただ並べるだけに終わらず、プレイヤー自身がみねねを操作し、トラップを回避しながら出口を目指すという能動的な体験を設計した点に、制作者の意図が透けて見える。トラップにかかるたびにHシーンが発生するという構造は、アクションとエロスを有機的に連動させるジャンルの定石をきっちりと踏襲しながら、スマホというプラットフォームに合わせた操作感の最適化も図られている。
コンテンツのボリュームについては、基本Hアニメ30種類以上、差分を含めれば150種類以上という数字が一つの目安となる。へそ姦、丸呑み、ミミック姦、脳姦、首絞め、腹ボコ、触手貫通、スライム攻め、蟲といったプレイ内容は、リョナというジャンルが持つ多様な需要をほぼ網羅しようという姿勢の表れであり、各シーンのアニメーションクオリティはこの販売数と高評価を裏付けるに足るものだ。道中のADVパートにも一部アニメーションが付与されており、テキスト演出と映像表現の連携が物語への没入感を高めている。
本誌が特に評価したいのは、「全てのプレイは配信されており、高額のスパチャが飛び交う」という演出設計である。これはゲーム内の状況描写に留まらず、現実の配信文化をメタ的に取り込んだ構造として機能している。みねねが被る様々な屈辱的状況を、無数の匿名視聴者が金を積んで見守るという構図は、現代社会の歪んだ関心構造を鋭く反映しており、単純な嗜虐的快楽とは異なる層の読み筋を提供している。触手や異種といったジャンル要素も、この「見られる恐怖」の文脈に接続されることで、より多層的な意味合いを帯びてくる。
マルチエンディング方式を採用している点も、作品の完成度を底上げする重要な要素だ。選択によって異なる結末を迎えるという設計は、プレイヤーに対して単なる消費者ではなく物語の共犯者としての役割を与える。リョナというジャンルにおいてエンディングの分岐をどう扱うかは制作者の倫理観と創作観が問われる部分でもあり、ディーゼルマインがここに複数の出口を用意したことは、作品全体のトーンに一定の品格をもたらしている。
編集部がこの作品を今回の特集に選んだ理由は、単なるリョナゲームとしての完成度にとどまらない。「病みカワ」というキャラクター造形、配信というフレーム装置、アクションとエロスの設計、そして現代的なモチーフの採用、これらが一本の線で繋がり、ジャンル作品でありながら独自の世界観を構築していることへの評価である。同種の作品群の中でも、このタイトルが残した1,529という販売実績は、制作者が積み上げたものの重さを静かに証明している。
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