【スマホ版】穢神楽~Aikagura~

Circle: アンホリクリエイションRelease: 2025/09/24Updated: 2025/10/23
★ 4.35(54 reviews)Sales: 1,246

今回編集部が取り上げるのは、アンホリクリエイションが手がけた和風横スクロールアクション「穢神楽~Aikagura~」のスマートフォン版である。販売数1,246本、評価4.35点(54件)という数字は、同人スマホゲームという競争の厳しい市場において決して小さな成果ではない。本誌がこの作品に注目したのは、単なるエロアクションゲームという枠を大きく超えた、システム設計の密度と完成度の高さにある。

舞台となるのは、長く続いた戦乱がようやく終わりを告げようとしていた架空の和の世界だ。十束の国が突如あやかしの大量発生によって壊滅状態に陥るという、冒頭からつかみのあるシナリオが展開される。主人公・天高宮みつきは半妖という特異な出自を持ちながら、朝廷直属の退魔師機関「陰陽寮調伏方」に所属する手練れの術者である。この設定の巧みさは、ゲームメカニクスと有機的に結びついている点にある。みつきが持つ「人と妖狐、二つのモード」という切り替えシステムは、キャラクターの出自そのものをゲームプレイの核心に据えた設計であり、単なるパワーアップ要素として片付けるには惜しい。妖狐モードは攻撃力に秀でる一方で被弾時の脆弱性が増すというトレードオフが設けられており、状況判断を要求するゲーム性が生まれている。

戦闘システムの中でも特筆すべきは「弾き」と「防御値」の概念だ。タイミングよく防御することで敵の防御値を削り、削り切ると敵が無防備状態となってダメージが2倍になる。この仕組みは、近年のアクションゲームで洗練されてきたパリィシステムの応用であり、同人ゲームの文脈においてここまで丁寧に実装されている例は多くない。ただ攻撃ボタンを連打するだけでなく、攻防の読み合いが生まれる設計は、アクションゲームとしての骨格がしっかりと構築されていることを示している。

スキルツリーの存在も、本作のリプレイ性を高める要因として機能している。道中でアイテムを拾うことでスキルが解放され、スキルポイントを消費して強化するという構造は、ビルドの自由度をプレイヤーに委ねるものだ。難易度設定もNormal・Hard・VeryHardの3段階が用意されており、Normalには救済措置まで設けられている。間口の広さと奥深さを両立しようとする設計姿勢が随所に感じられる。

エロコンテンツの面においても、アンホリクリエイションの作り込みは際立っている。拘束攻撃32種類、ゲームオーバーアニメーション21種類というボリュームはそれ自体が訴求力を持つが、注目したいのはその実装方法だ。ゲームオーバーアニメーションはすべてSpineによるなめらかなアニメーションで動作し、静止絵に留まらない表現力が追求されている。「托卵」や「膨乳」といった状態異常システムも、単なる視覚的演出に留まらず、ゲームプレイへの影響と連動している。托卵状態ではあやかしの卵が一定時間胎動してみつきの行動を阻害し、時間が経過すると孵化・出産というシーケンスに移行する。膨乳状態は外見変化がゲームオーバーアニメーション等にも反映されるという徹底ぶりだ。こうした連携は、エロ演出をゲームシステムから切り離さず、世界観の一部として機能させようとする意識の表れである。

ギャラリーシステムの設計も秀逸だ。エロ演出の閲覧のためにわざわざゲームオーバーになる必要はなく、該当の敵を倒すことでギャラリー登録される仕組みになっている。さらに「敵操作モード」と呼ばれるギャラリー内機能では、敵キャラクターを簡易操作して拘束攻撃を行わせることが可能で、お供の敵を2体まで追加できる。これはコレクション性とインタラクティブ性を両立させた試みであり、こうした細かな配慮の積み重ねが評価4.35点という数値に結実しているのだろう。

実績システムやコナミコマンドを応用したギャラリー全開放コマンド(タイトル画面での特定入力)の存在も、プレイヤーへのサービス精神として好感が持てる。古参ゲーマーへのユーモアある目配せと言えよう。

和風のあやかし退治という題材は同人ゲームにおいて決して珍しいものではないが、本作がその中で際立つのは、アクションゲームとしての骨格、エロシステムの実装密度、そしてスマートフォンという媒体への最適化が、一定の水準で統合されている点にある。アンホリクリエイションがこの作品に込めた設計への執着は、1,246という販売数以上の存在感を作品に与えている。同人スマホゲームの可能性を測る一つの指標として、本作は長く参照され続ける作品になるだろう。

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2025/10/23・フィールド上で画面タッチによる意図しない攻撃への対応 ・隠しコマンドの入力方式の調整
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