今回編集部が取り上げるのは、サークル「Autonoe」が手がけたAndroidスマートフォン向けの成人向けアドベンチャーゲーム、「ママなつ ~ボクたちのママこうかん~」である。販売本数510本、63件のレビューから算出された評価スコアは3.95点と、同ジャンルの作品群の中でも安定した支持を集めており、本誌としても注目せざるを得ない一本だ。
本作の核心にあるのは、「ママ交換」というきわめて刺激的な設定だ。主人公の少年・あおいは、友人から衝撃的な告白を受ける。その友人は日常的に自分の母親と性的な関係を持っているというのだ。その話をあおい自身の母親に打ち明けたところ、翌朝には「みんなで『ママ交換』をすることになった」という返答が返ってくる。この展開の速度感、そしてあっけらかんとした母親のセリフが持つ独特のユーモアと倒錯感こそが、本作の掴みとして機能している。
ショタ・母親・スワッピングというジャンルタグが示す通り、本作はいわゆる「母子もの」の変奏として設計されている。単一の母子関係に収まらず、複数の家庭が交差していくという構造は、登場するキャラクターに多様性をもたらし、プレイヤーが物語に飽きる余地を与えない。ムチムチというタグが示すボディラインの豊かさは、CG描写においても一貫しており、29枚の基本CGに対して160枚という差分CG枚数がそのこだわりの深さを端的に物語っている。
システム面についても、本作の設計思想は明確だ。メインマップ上に配置された母親たちの家を訪れ、表示される「ハート」アイコンを選択することでイベントが発動する。余計な操作を排除し、テンポよく物語を楽しめるようにという作者の意図が、このシンプルな構造に凝縮されている。メッセージスキップ機能、メッセージ枠の一時非表示機能、そして回想モードの搭載といったユーザビリティへの配慮も、スマートフォンというプラットフォームで遊ぶ際の快適さを底上げしている点で評価に値する。
スマートフォン向けに最適化されているという点も、本作を語る上で欠かせない視点である。PC向けの同人ゲームをそのままスマホへ移植しただけでは、操作性や画面レイアウトの面で粗が生じることが少なくない。しかし本作は、スマホプラットフォームの制約を前提として設計されたシンプルなUI思想が、結果として快適なプレイ体験を生み出すことに成功している。こうした点が、現在の支持率に反映されているとも読み取れる。
夏休みという時間の広がり、解放感、そして日常とは切り離された特別なできごとの連続。本作に流れる夏の空気感は、エロティックな刺激と不思議な郷愁感を同時に引き出す力を持っている。母親キャラクターたちの造形には愛嬌があり、禁忌を描きながらもどこか牧歌的なトーンを保っているのが本作独自の色合いだ。エロスを主軸としつつも、その描き方に一定の温度感と作家性が宿っている点が、評価スコア3.95という数字に象徴される読者からの信頼につながっているのだろう。
510本という販売数は、本作がスマートフォン向け成人同人ゲームというニッチなセグメントにおいて、着実な読者層を開拓してきた証左である。サークル「Autonoe」が積み上げてきた世界観と、プレイヤーへの誠実なサービス精神が結実した一作として、本誌はこの夏の季節感とともに本作を強く推薦したい。
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