今回編集部が取り上げるのは、シコルスキー大佐が手がけたスマートフォン向け同人ゲーム「近衛騎士ウェインの(非)日常」である。販売数1,750本、評価4.58点(235件)という数字は、本作がいかに多くのプレイヤーに支持されているかを如実に示している。短編作品でありながらこれだけの支持を集めるという事実は、本誌が注目せずにはいられない理由の一つだ。
舞台となるのは、大陸西部に位置する小国コスルトデール王国。主人公のウェインは、近衛騎士団唯一の女性騎士として日々剣術の鍛錬に励む26歳の女性である。真面目な性格でありながら、若干むっつり気味という絶妙なキャラクター造形が、本作の物語を牽引する大きな柱となっている。そのウェインが数十人の男性騎士と共に強化合宿に参加させられるという状況設定は、シンプルながら羞恥と欲望の葛藤を描くうえで極めて効果的な舞台装置として機能している。
ゲームシステムは、朝・夕方・夜の1日3回の行動選択を5日間繰り返すというものだ。戦闘要素を一切排し、イベント鑑賞に特化した構造は、同ジャンルの入門作としても間口が広い。しかし、このシンプルさの裏には巧みな設計が隠されている。ウェインの「性欲値」という内部パラメータが存在し、それがイベントの発生フラグと密接に絡み合う仕組みになっているのだ。エロイベントを回避し続ければ後半のイベントが激減するという設計は、プレイヤーの行動選択に必然的な意味を与えており、単なるノベル形式とは一線を画す工夫が施されている。
エンディングは全5パターンに分岐する。最終日の夜に選択する行動によって結末が変わるという構造は、短編ゲームにおける繰り返しプレイの動機付けとしてよく機能している。クリア後には回想・エンディングの全開放機能が用意されており、イベントの開放状況を保持したままの周回プレイも可能という親切な設計も評価できる点だ。これはライトユーザーへの配慮とコレクター気質のプレイヤー双方を意識した実装であり、作者の丁寧な作り込みが伝わってくる。
本作のジャンルは巨乳・爆乳、言葉責め、羞恥・恥辱、パイズリといったキーワードが並ぶ。ウェインという主人公のキャラクター性と、男性騎士団という閉鎖的な環境が織りなす羞恥劇は、これらのジャンルを単なるタグの羅列ではなく、物語の必然として機能させている点が秀逸だ。「女はウェインただ一人」という孤立した状況下で繰り広げられるエロスは、彼女の葛藤や内面の揺らぎと不可分に結びついており、だからこそ読み手の感情移入を促す力を持っている。
スピンオフ短編という立ち位置ながら、前作未プレイでも楽しめるよう登場人物の情報が丁寧に整備されている点も、本誌が高く評価するところである。王女ユスティはイベントシーンこそ登場しないものの、世界観の奥行きを感じさせる存在として機能しており、短い尺の中でも物語に厚みをもたせることに成功している。
Android向けスマートフォンゲームとして提供されている本作は、隙間時間にプレイしやすいという実用面での利点も見逃せない。4.58点という高評価は、単にエロコンテンツの充実度だけによるものではないと本誌は見ている。世界観の統一感、キャラクターの魅力、システムの完成度、そしてスマートフォンというプラットフォームとの親和性——これらが複合的に絡み合った結果が、この数字に集約されているのだろう。シコルスキー大佐というサークルの誠実な制作姿勢が、235件ものレビューという形でプレイヤーから返ってきたと読み解くのが自然である。
短編という形式の制約の中でいかに密度の高い体験を作るか、という問いに対する一つの誠実な答えが、本作には詰まっている。巨乳女騎士の羞恥に彩られた5日間を、ぜひじっくりと見届けてほしい。
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