【Android版】ヒロモンSLG -不思議な魔物と調教師-

Circle: RiceRengRelease: 2022/09/28
★ 4.61(220 reviews)Sales: 1,064

今回編集部が取り上げるのは、サークル・RiceRengが手がけるスマートフォン向け調教SLG「ヒロモンSLG -不思議な魔物と調教師-」である。販売数1,064本、評価4.61点(220件)という数字が示すとおり、Android向け同人ゲームという狭き門を突き破り、確かな支持を積み上げてきた作品だ。本誌が今号の注目作として選出した理由は、そのジャンル構成の密度と、スマートフォンというプラットフォームへの真摯な向き合い方にある。

まず目を引くのは、ジャンルタグの組み合わせが持つ設計の意図深さだ。寝取られ・寝取り・異種えっち・命令と無理矢理・トランスと暗示・羞恥と恥辱・触手・精神支配――これだけの要素を列挙すると散漫な印象を与えかねないが、本作はそれらを「調教師」と「ヒロモン(魔物)」という二軸の関係性に収束させることで、プレイヤーの没入を損なわない設計を実現している。魔物を媒介として展開される支配と服従の構造は、単なる嗜好の羅列ではなく、物語的必然性を伴った演出として機能している点が評価の高さを裏付けている。

SLGという形式の選択もまた、本作の強みを語るうえで外せない要素だ。スマートフォン向け同人ゲームは往々にして、PCベースで設計されたゲームを縮小移植するにとどまりがちだが、本作はAndroidという環境を前提とした操作感を意識した作りになっている。タッチ操作との親和性を保ちながら、SLGとしての戦略性と官能的なシナリオ展開を両立させるのは容易なことではない。それをこのクオリティで仕上げてきたRiceRengの技術的な地力は、同人サークルとして相当に高い水準にあると見てよいだろう。

ジャンルとして「寝取られ」と「寝取り」が並列されている点も興味深い。この二項は通常、プレイヤーの立場を明確に二分するものだが、本作では調教師というプレイヤーの役割設定を挟むことで、どちらの視点にも感情移入しやすい設計になっていると推察できる。精神支配やトランス・暗示のタグは、その橋渡し役として機能し、単なる状況描写ではなく、キャラクターの内面変化を丁寧に描くための演出装置として機能している可能性が高い。評価件数220件という母数において4.61点を維持しているということは、購入者の幅広い層がそれぞれの嗜好に沿った満足感を得ているということだ。

触手と異種えっちというビジュアル要素についても触れておくべきだろう。「魔物」というモチーフはファンタジー的な非日常感を担保しながら、触手や異形の存在との絡みといったコアなビジュアル表現を成立させるための世界観的な土台として機能している。この種の設定は安易に扱うと作品の統一感を損ねるが、タイトルからして「不思議な魔物と調教師」と明記している本作は、最初からその世界観の中心にこれらの要素を据えており、プレイヤーが期待する体験と提供される内容のズレが極めて小さい。それが高評価の一因でもあると本誌は読む。

羞恥・恥辱というタグは、本作のシナリオにおける感情のグラデーションを担っているはずだ。圧倒的な支配や精神操作だけで構成された作品は刺激的ではあるが、キャラクターの感情的な揺れを描くことで読み手・プレイ体験者の共感を引き出す余地が生まれる。羞恥という感情は、キャラクターがまだ自意識を保持していることの証明でもあり、それゆえに精神支配やトランスとの対比として機能するとき、物語はより鮮明なコントラストを帯びる。

販売数1,064本という数字は、Android向け同人ゲームという市場の性質を考えれば決して小さくはない。PC向け作品と比べてプラットフォームの敷居が高く、潜在購入者の絶対数が絞られる中でこの数字を達成していることは、RiceRengというサークルが同人スマホゲームというニッチにおいて確固たるポジションを築きつつあることを示している。本誌が継続してウォッチしていく価値のある作り手である。

あらゆる構成要素が互いを補強し合い、Android向けというフォーマットの制約を逆手に取るような完成度を見せる本作は、ジャンルの熟達者にとっても、このサークルを初めて知るプレイヤーにとっても、手に取る理由が十二分にある一作だ。RiceRengが積み上げてきたものの厚みを、この作品はひとつの到達点として静かに、しかし確かに示している。

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