【Android版】芸能界の闇 - ルームSの謎

Circle: PlaymeowRelease: 2022/08/31
★ 4.34(44 reviews)Sales: 820

今回編集部が取り上げるのは、サークル・Playmeowが送り出したAndroid向けノベルアドベンチャー「芸能界の闇 ─ ルームSの謎」である。販売本数820本、44件の評価から算出された平均スコア4.34点という数字が示すとおり、同人スマホゲームの中でも一際目を引く支持を集めている作品だ。

本作の骨格をなすのは、二重構造の謎解きである。主人公チェンルオシアは、幼少期に経験した火事という個人的な傷跡を胸に秘めながら、新聞社への入社という形で芸能界へと足を踏み入れる。そこで課せられた使命は、人気女優スーニャンの「自殺」の真相を追うことだ。しかしこの調査は、単純な事件取材にとどまらない。スーニャンを取り巻く人物たちに近づくほど、業界の暗部が露わになっていく。聖人面をしたスカウトマン、悪質なエージェント、権力をかさに着る業界の大物───彼らは例外なく欲望の目で主人公を品定めし、チャンスの対価として体を求めてくる。この構図は非常にシニカルかつリアリスティックであり、単なる官能描写に収まらない社会的な批評眼を作品全体に与えている。

本誌が特に評価したいのは、謎のアプリ「ルームS」と紫色の液体「ソウルロス」という二つの装置の使い方だ。これらは単なる設定上のガジェットではなく、スーニャンの死という核心と、主人公の過去という個人的な真実を結びつける鍵として機能している。作品の構成として、探索・思考・アイテム調査といった複数のアクションを組み合わせながら「真相の手がかり」を積み上げていくゲームプレイは、プレイヤーをただの傍観者にせず、能動的な調査者として物語へと引きずり込む設計になっている。

ボリューム面でも申し分ない。テキスト量は80,000字に及び、スマホゲームとしての手軽さを保ちながらも読み応えある物語体験を提供している。ビジュアル面では基本CG16枚に加え、差分180枚以上という充実した枚数が確保されており、メインキャラクターのチェンルオシアをはじめ、2名のサブキャラクターたちが黒髪・ムチムチといったビジュアル特性を活かして描かれている。官能シーンの密度と物語の緊張感のバランスは、このジャンルに慣れたプレイヤーにとっても一定の満足感をもたらすはずだ。

エンディング分岐についても触れておくべきだろう。全5種類のエンディングが用意されており、選択肢ごとに結末が変化するマルチエンドの構造は、周回プレイへの動機を自然に生み出している。ヴァージンエンディングの存在は、プレイヤーが下す選択に倫理的な重みを持たせる仕掛けとして機能しており、単なる分岐ゲームにとどまらない思想的な設計を感じさせる。

加えて本作は、テキストが13言語に翻訳されているという点も特筆に値する。日本語・英語・繁体字・簡体字・韓国語・タイ語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・スペイン語・ポルトガル語・トルコ語・ベトナム語と、これだけ多言語に対応しながら音声は日本語に統一されている。これはグローバル展開を意識した同人ゲームとしては意欲的な仕様であり、Playmeowというサークルの制作に対する本気度が伝わってくる一点でもある。

芸能界という閉鎖的な権力構造、そこで生き延びようとする一人の女性の葛藤、そして幼少期の悲劇へと収束していく謎の連鎖──「芸能界の闇 ─ ルームSの謎」は、官能と社会批評とミステリーを一本の縦糸で貫いた、同人スマホゲームの可能性を広げる意欲作だ。4.34点という評価は、作品の完成度に対してプレイヤーが正直に応えた結果であると、本誌は確信している。

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