【Android版】ヒロインズ・コード -Heroines' Chord-

Circle: No FutureRelease: 2022/11/23v1.0.3
★ 4.62(572 reviews)Sales: 3,307

今回編集部が取り上げるのは、サークル「No Future」が手がけたAndroid向けスマートフォンゲーム『ヒロインズ・コード -Heroines' Chord-』である。販売数3,307本、評価4.62点(572件)という数字は、同人スマホゲームというニッチなジャンルにおいて、相当な支持を集めていることを如実に示している。本誌が同人スマホゲームをこれほど正面から取り上げるのは久しぶりのことだが、この作品にはそれだけの理由がある。

まず特筆すべきは、本作が「女性視点」を軸に据えた構成をとっている点だ。変身ヒロイン・魔法少女というモチーフは、同人エロゲームにおいて定番中の定番と言えるが、No Futureはそこに「女性視点」という一人称的な没入感を組み込むことで、プレイヤーが単なる観客ではなくヒロイン自身として体験するという、やや異なる質感を作品に与えることに成功している。男性向け作品でありながら女性視点を採用するこの設計は、単なるギミックではなく、屈辱や拘束といったシチュエーションの「感じ方」を主観的に描くという明確な意図のもとに成立しているのだ。

ジャンルタグを眺めると、連続絶頂・拘束・触手・屈辱・回しと、いわゆるヒロイン陵辱系の王道要素が丁寧に揃えられている。しかしこれだけのタグが並ぶ作品が、評価件数572件という母数のもとで4.62という高スコアを維持しているという事実は、単なる要素の羅列ではなく、それらが有機的にゲームプレイと噛み合っている証左だと本誌は読む。評価の高い同人作品には往々にして「テンポ感」の良さがあるが、本作においてもシナリオの進行と官能描写のバランスが丁寧に設計されていることが、プレイヤーの高評価につながっているのではないだろうか。

スマートフォンという媒体を選んだことも、この作品を語る上で外せない視点である。PCゲームが依然として主流の同人ゲーム市場において、Android対応作品は絶対数が少なく、その分プレイヤーの選択肢も限られる。本作はそのニーズに応える形でスマホ市場に参入しており、3,000本超の販売数の背景には「スマホで遊べる質の高い成人向けゲームを求めている層」への的確なリーチがあると考えられる。競合が少ないブルーオーシャンであることは確かだが、それ以上に「スマホで遊ぶ」という体験そのものが、この種の没入型シチュエーションゲームと相性が良いという側面もあるだろう。寝転がりながら、あるいは一人きりの空間でプレイするというシチュエーションが、作品の世界観とどこか共鳴するのである。

変身ヒロインという設定が持つ物語上の必然性についても触れておきたい。魔法少女というモチーフには、「力を持った者が無力化される」という落差の構造が内在しており、それが屈辱や拘束のシチュエーションと組み合わさったとき、単なるエロティシズムを超えた物語的緊張感が生まれる。No Futureはこの構造を理解した上で本作を設計しており、ヒロインの「変身」という行為そのものが、彼女たちの誇りや使命感の象徴として機能し、それが崩されていく過程に深みを与えているように見受けられる。こうした「物語の文法」を押さえた作品が高評価を得るのは、むしろ当然の帰結だと言えるだろう。

同人スマホゲームという市場の成熟度は、まだ発展途上にある。その中でこれだけの評価と販売数を積み上げたNo Futureの『ヒロインズ・コード』は、ジャンルの可能性を拓く一作として、本誌の記録に残しておくべき作品だ。変身ヒロインもの・女性視点・スマホ対応という三つの軸が交わる場所に、確かな作品体験が存在している。

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