【Android版】R*pers, Please

Circle: からあげカンパニーRelease: 2023/02/08
★ 4.37(119 reviews)Sales: 978

今回編集部が取り上げるのは、からあげカンパニーによるスマートフォン向け成人向けシミュレーションゲーム「R*pers, Please」である。入国審査という一風変わった職業体験を軸に、借金返済という切実な動機を持つヒロインの葛藤を描いたこの作品は、販売本数978本、評価点4.37点(119件)という数字が示す通り、同人ゲーム市場において確かな支持を得ている一作だ。

本作の最大の特徴は、著名PCゲーム「Papers, Please」から着想を得たであろう入国審査システムと、成人向けコンテンツを巧みに融合させた設計にある。プレイヤーが操作するのは、風俗店勤めに嫌気が差し入国監査官へと転職した主人公レベッカ。彼女には14日間という試用期間内に300Gの借金を返済するという厳しいノルマが課せられており、この制約がゲーム全体の緊張感を生み出している。単なる成人向けコンテンツの羅列ではなく、経済的プレッシャーとモラルの狭間で揺れるヒロインの立場を構造的に描いている点が、本誌として高く評価したいポイントである。

ゲームプレイの核心は入国審査の判定だ。怪しい人物を通過させてしまえば治安が悪化し、最終的にはレベッカ自身が危険な目に遭う。一方で疑わしい人物を片っ端から拒絶すれば審査の効率は落ち、借金返済の目途も立たない。また入国者の中にはレベッカへ金銭と引き換えに不正な取引を持ちかける者もおり、プレイヤーはその都度、応じるか拒絶するかの選択を迫られる。この「道徳的ジレンマの反復」こそが本作の骨格であり、ゲームとしての深みを生んでいる要因だ。取り調べ室もまた単なる尋問の場に留まらず、資金調達の場に転化しうるという設計は、ゲーム世界の閉塞感と退廃的な雰囲気を巧みに演出している。

エロコンテンツの充実度も見逃せない。アニメーション付きシーンが21種類用意されており、フェラチオ、パイズリ、おさわりといった定番のジャンルを網羅しつつ、羞恥・恥辱・屈辱といったシチュエーション的な深みも持たせている。スマートフォン向けゲームはPC版と比較してコンテンツが削減されがちな傾向があるが、本作はPC版2023年1月時点のゲームデータを基盤としており、内容の充実度は担保されている。21ものシーン数は同人スマホゲームの水準を十分に超えており、編集部が実際に確認した範囲でも、各シーンのクオリティは一定以上を維持していると言える。

声優・鳴森りいあによるフルボイスも本作の大きな強みだ。レベッカというキャラクターは、元風俗嬢という過去を持ちながらも状況に流されまいとする芯の強さを内包している。その微妙な感情の揺れを声で表現することは、シナリオへの没入感を格段に高める。成人向けゲームにおいてボイスの有無がユーザー評価に与える影響は大きく、本作が4点台前半という安定した評価を維持している背景にはフルボイス実装の貢献が少なくないと見ている。

マルチエンディング構造も本作の再プレイ性を支える重要な要素だ。8種類のエンディングが用意されており、プレイヤーの選択によって結末が分岐する。借金を完済してハッピーエンドを迎えるルートもあれば、誘惑に負け続けた末の破滅的な結末もあるだろう。同人ゲームにおいて8種類のエンディングを実装するのは開発コストとしても軽くない判断であり、からあげカンパニーがゲームとしての完成度に対して真摯であることを示している。

スマートフォンという媒体特性も本作を語る上で重要な文脈だ。成人向けコンテンツをスマホで手軽に楽しみたいという需要は確実に存在しており、本作はその需要に応える数少ない選択肢として機能している。インターフェースがスマホ操作に最適化されているかどうかは個人の端末環境にもよるが、PC版を原典に持つ本作が携帯端末への移植において一定の完成度を誇っているという評価は、119件もの評価件数と4.37という高得点が裏付けている。

本作は「シミュレーションという衣をまとった成人向けゲーム」でも「成人向けコンテンツを添えたシミュレーション」でもなく、その両者が対等に組み合わさることで独自の体験を生み出している稀有な作品である。単純に刺激的なシーンを求めるユーザーにも、ゲームとしてのプレイサイクルを楽しみたいユーザーにも応えうる設計の妙は、からあげカンパニーの作品づくりに対する姿勢の表れと言えるだろう。レベッカの14日間が、プレイヤーにとってどのような結末を迎えるのかは、その手に委ねられている。

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