今回編集部が取り上げるのは、ドージンオトメによるスマートフォン向け箱庭型ドットエロゲー「あまえんぼ+」——販売本数11,727本、評価4.8点(821件)という数字が、この作品の圧倒的な完成度を無言で物語っている。
同人ゲームの世界において、「ドット絵」と「箱庭」の組み合わせは一種の王道でありながら、その実現には相当の技術力と設計思想を要する。ドージンオトメはその難題に真正面から取り組み、田舎町の夏という情緒豊かな舞台を丸ごと一軒の家として凝縮してみせた。プレイヤーが操る主人公は、両親の都合により従姉妹たちの家に預けられた少年だ。夏の日差し、虫の声、遠くで鳴く蝉——そういった季節の質感が、ドット絵のタッチと驚くほど相性よく噛み合っている。
本作の核となるのが「おねだりシステム」である。「パンツ見せて」「おっぱい見せて」「しゃぶって」といった直接的なリクエストを、立ち絵状態からシームレスにHシーンへと移行させる設計は、プレイのテンポを極めて良好に保っている。ノベルゲームのように演出を長々と挟むのではなく、欲求を即座に行動へ変換できるこの仕組みは、今月の注目作に選ぶに十分な独自性を持つ。ゲームデザインとしての合理性と、エロゲーとしての快楽追求が、見事に一致した瞬間と言っていいだろう。
体位や行為の習得をスキルツリーで管理する構造も、本誌が高く評価したいポイントだ。「思い出」という作中の通貨を積み重ねることで、できることが段階的に広がっていく。トイレ中の奇襲、睡眠中の挿入といった背徳的な行為も、ゲーム的な達成感の文脈に落とし込まれることで、プレイヤーは罪悪感よりも好奇心を優先できる。この匙加減は、エロゲーとしての倫理的グレーゾーンを楽しさとして昇華する、熟練の設計眼なくしては成立しない。
キャラクターの顔ぶれも豪華だ。メインヒロインとなる結衣(CV:琴音有波)、莉音(CV:陽向葵ゅか)、美雪(CV:柚木つばめ)の三姉妹は、おねショタというジャンルの定石を押さえつつ、それぞれ個性のある存在感を放つ。従姉妹という関係性が持つ「近すぎず遠すぎず」の距離感が、禁断の夏という物語に奥行きを与えている。声優陣の演技も相まって、彼女たちは単なるエロゲーのヒロインではなく、夏の記憶に刻まれるキャラクターとして機能している。
そしてアペンドによる追加要素が、この作品をさらに大きく押し広げた。サブヒロインだったあかり(CV:本多未季)、カガミ(CV:大山チロル)、ミズキ(CV:柚木朱莉)、スズカ(CV:沢野ぽぷら)、シズク(CV:涼花みなせ)の5人が昇格し、各自に汎用ドットHと新規Hシーンが3つずつ追加されている。メインヒロイン3人には「淫乱」「奉仕」「変態」という三軸のHステータスイベントが各6つ加わり、物語の厚みは単純計算では測れないほど増している。絵日記ギャラリーの追加は、プレイ済みの思い出を後から振り返れる機能として、本誌が特に着目したい点だ。記録と閲覧というコンセプトが、「夏の思い出」という作品テーマと見事に呼応している。
田舎町の探索要素——昆虫採集、魚釣り、そして町中に散らばる年上の女性や学校の先生との出会い——は、作品世界を単なるHシーンの器以上のものに仕立てている。メインとサブ、性的描写と非性的描写が均衡を保ちながら共存することで、ゲームとしての密度が生まれ、プレイヤーを長時間引き止める力を持つ。
11,000本超の販売実績と4.8点という高評価は、本作が同人ゲームという枠を超えた完成品であることの証左だ。「コスプレして」「キスして」といった新おねだりを含むアペンドまで統合済みの本バージョンは、この夏を描くうえでもっとも充実した形を提供している。夏の終わりに、忘れられない記憶を探しているプレイヤーにとって、これほど誠実に欲望へ応えてくれる作品はそう多くないと、編集部は確信を持って断言できる。
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