今回編集部が取り上げるのは、サークル「コラピ」が手がけたAndroid向けおさわりシミュレーション、「おサボりジョシコウセイ」である。
同人スマホゲームというジャンルは、PC向け作品と比べてまだ成熟しきっていない市場だ。操作性・画面サイズ・タッチインターフェースの三要素を同時に最適化しなければならず、制作難度は決して低くない。その中でコラピは、タッチという行為そのものをゲームの核心に据えることで、スマートフォンという媒体の特性を逆手に取ることに成功している。販売数1,727本、評価4点(138件)というデータは、その判断が市場に正しく受け入れられたことを雄弁に語っている。
本作の舞台は学校・学園という極めてオーソドックスな空間だ。しかしコラピがこの設定に持ち込んだのは、「眠っている」という一点の捻りである。眠りこけた女子高生という状況設定は、すやすやえっちというジャンルが持つ独特の静謐さと緊張感を生み出す。大声を上げない、激しく動かない、そのくせ息遣いは確かにそこにある——このシチュエーションが醸し出す張り詰めた空気感こそ、本作最大の魅力の一つだと本誌は評価する。
着衣というタグも、作品の空気を形成する上で重要な役割を果たしている。脱衣を省略することで、プレイヤーの意識はよりインタラクションそのものへと集中する。学校制服という記号的な衣装と、その下に確かに存在する身体の対比。断面図という表現手法がそこに加わることで、視覚的な情報量は飛躍的に増す。断面図表現は近年の同人作品において一つの表現様式として確立されつつあるが、本作ではそれがスマホ画面という縦長フォーマットに巧みにフィットしている点が注目に値する。
おさわりシミュレーションというゲーム形式の肝は、反応の多様性にある。タッチした場所・強さ・タイミングによってキャラクターの反応が変化するかどうか——この一点が、単なる静止画閲覧との本質的な差異を生む。本作がその点でどれほど作り込まれているかは、138件という評価件数から逆算できる。同価格帯の同人スマホゲームにおいて、これだけの評価数が集まるためにはリピートプレイを促す何らかの吸引力が必要だ。口内射精・中出しといった複数のエンドを用意していることは、プレイの多様性を担保する設計として機能しているだろう。
編集部がとりわけ関心を持つのは、このゲームがスマートフォンのタッチパネルという物理的特性と、コンテンツの内容的特性を一致させている点だ。PCゲームにおけるマウスクリックと、スマートフォンにおける指のタッチとでは、操作者の心理的距離感がまるで異なる。指がそのまま画面に触れるという行為は、クリックという間接操作に比べて遥かに直接的な感覚を伴う。コラピはこの差異を意識した上で、おさわりというテーマをスマホに移植したのではないかと本誌は推察する。そのメタ的な設計思想は、一つのゲームデザイン論として語る価値がある。
評価4点という数字は、決して高い数値ではない。5点満点で考えれば中の上といったところだ。しかしながら、スマホゲームというプラットフォームに求められる操作品質の基準は高く、わずかな違和感でも評価を下げる要因になり得る。そうした厳しい目線の中でこの評価を維持しているという事実は、作品としての基礎的な完成度の証左と読むべきだろう。1,727という販売数も、ニッチなプラットフォームであるAndroid同人ゲーム市場においては、サークルの着実な存在感を示す数値である。
静寂の中に緊張が宿り、その緊張がやがて一つの結末へと向かう——本作「おサボりジョシコウセイ」は、スマートフォンという手の中の小さな画面だからこそ成立する、コンパクトにして密度の高い体験を提供している作品だ。コラピというサークルが同人スマホゲームという茨の道で積み上げてきた技術と感性が、この一作に凝縮されている。プラットフォームとコンテンツの相性を突き詰めた本作は、今後の同人スマホゲームの一つの指標として記憶されるべき存在だと、本誌は確信する。
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