今回編集部が取り上げるのは、サークル「あせろら」が手がけるスマートフォン向け成人向けRPG「トレジャーハンタークレア~精液を集める冒険家~」である。販売本数1,043本、評価4.69点(64件)という数字が示すとおり、すでに一定の支持を獲得している本作だが、その内実は単なる「えろゲーム」の枠に収まらない、作り込まれたシステム設計と世界観の融合が際立つ一作だ。
舞台となるのは、勇者と魔王の戦いが終結し、人間と魔族が共存する平和な世界である。だがその平穏の裏側では、いまだ暴れ続ける魔物の存在と、謎めいた秘宝争奪戦という二つの火種がくすぶっている。主人公「クレア」は、その名のとおり天涯孤独のトレジャーハンターとして生計を立てる女性冒険家であり、「何でも願いの叶う秘宝」の噂を追って、祝祭ムードに沸く街「アルストロメリア」へと足を踏み入れる。このオープニングの構図は、古典的なRPGのそれを踏まえつつも、あくまで一人の女性キャラクターの意志と欲望を物語の駆動力に据えている点で、本誌が近年注目してきた「主体的ヒロイン型エロRPG」の系譜にしっかりと位置づけられる。
物語の核心として機能するのが、「勇者の力は精液を得ることで増す」という設定である。一見すると荒唐無稽に映るこのルールも、ゲームシステムと有機的に結びつくことで、プレイヤーの行動選択に意味を持たせている。クレアは戦闘での強化を求めるほど、みずからエロティックな行動を取らざるを得なくなるという構造だ。これは道徳的葛藤とゲームプレイの連動という、成人向けRPGにおいてもとりわけ丁寧な設計であると本誌は評価する。
システム面の充実ぶりも見逃せない。今作では最大3名のキャラクターをパーティとして選択できる仕様が採用されており、戦略の幅は前作比で大きく広がっている。さらに注目すべきは、「性欲」「淫乱度(S/Mの二軸)」「羞恥心」「カルマ値」という四つのパラメータが独立して機能し、それぞれが物語の分岐やキャラクターの行動制限に影響を与えるという多層構造だ。淫乱度がSに偏るかMに偏るかでクレアの振る舞いが変化し、カルマ値の蓄積が特定のイベントを解放するという設計は、周回プレイへの動機づけとして十分に機能している。
着せ替えシステムも本作の特筆点のひとつである。トップス・ボトムス・ブラジャー・パンティ・オプションの5カテゴリを自由に組み合わせることで、視覚的なカスタマイズとゲームプレイの関係性が生まれる。露出度の高い衣装は羞恥心の数値が低くなければ着用できないという制約が設けられており、見た目の変化が単なるコスメティックな要素にとどまらず、ステータス管理とリンクする仕組みになっている。コスプレジャンルとの親和性も当然高く、多様なシチュエーションを楽しみたいユーザーへの訴求力は相当なものだ。
「おねだりシステム」と呼ばれる固有コマンドも健在で、能動的にキャラクターを動かしながら精液収集を進めるプレイスタイルが担保されている。さらに戦闘中の捕縛イベントも実装されており、RPGとしての戦闘プロセスにも官能的な緊張感が生まれる構造となっている。これだけのパラメータとシステムを一本のゲームに詰め込みながら、スマートフォンという操作環境での快適なプレイを実現している点は、サークルの技術力と意欲の表れとして素直に評価されるべきだろう。
「コスプレ」「異種えっち」「淫乱」「羞恥/恥辱」「回し」「露出」と並ぶジャンルタグは、本作のエロティックなコンテンツの幅広さを示している。シチュエーションの多様性を求めるユーザーにとって、これだけの密度が一作に凝縮されていることは、コストパフォーマンスという観点からも高く評価できる要素だ。評価4.69という高得点が、単なる話題性ではなくプレイヤーの実体験に基づく満足度の反映であることは、64件という件数の重みが物語っている。
本誌がこの作品に感じる最大の魅力は、エロティックな要素を物語の論理の内側に収めようとする誠実な姿勢にある。勇者の血、精液の力、パラメータの連動、そして着替えと羞恥心の相関——これらは「えろがあればそれでいい」という割り切りではなく、プレイヤーを没入させるための物語的・ゲーム的文脈として機能しており、その設計の丁寧さこそが本作を今月の注目作として推す理由である。冒険と欲望が交差するこの一作、手にとって確かめてほしい。
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