今月の注目作として編集部が強く推したいのが、Tsurisu制作のドットアクションホラー『Hospital Seduction』である。「病院」という閉鎖空間を舞台に、日中と夜間でまったく異なるゲームプレイが展開される二層構造が本作最大の特徴だ。勉強疲れで入院した青年が体験する、現実と悪夢の境界が溶け合う五つの夜——その叙述の巧みさと、ドット表現が生み出す独特の不気味さは、他のアダルトアクションゲームとは一線を画している。
本作の真骨頂は、昼と夜の対比にある。昼間は個性豊かな12人の入院患者や職員と交流し、クエストを進め、物語の断片を集めていく。この時間帯は探索とコミュニケーションが主体で、登場人物の背景や病院の秘密が少しずつ明らかになっていく。しかし夜が訪れた瞬間、彼女たちは「恐ろしい存在」へと変貌を遂げる。昼間に培った知識とアイテムを駆使して朝まで生き延びる、このサバイバル要素が本作に緊張感と中毒性を与えている。昼に出会った「彼女ら」とは「もはや彼女らではない」という描写の鋭さは、ホラーゲームとしての格を感じさせる。
ドット表現の選択は本作において非常に効果的だ。精緻な3Dグラフィックが氾濫する昨今の同人ゲームシーンにおいて、あえてドットで描かれた病院の廊下と、そこを徘徊する恐ろしい存在たちは、懐かしさと恐怖が混ざり合う独特の感触を生む。汁・液大量、逆レ、トランス・暗示といったジャンルを組み合わせながら、それをホラーの文脈で語る手つきは、Tsurisu流の作家性として評価に値する。プレイ時間は内部テスト基準で約2時間と手頃だが、二つのエンディングと全シーン解放機能が再プレイを促す。
日本語・英語・中文・ロシア語という多言語対応は、国際的な訴求を意識したサークルの姿勢の表れだ。評点4.47・レビュー2414件という数字は、アダルトゲームとホラーゲームの双方の読者から支持を集めていることを示している。五日間・五つの夜という明確な物語構造の中で、全てが明らかになる瞬間の衝撃を届けてくれる本作は、読者に届けたい秀作として今月の紙面を飾るにふさわしい。
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