今回編集部が取り上げるのは、スマートフォン向け同人ゲームという一見ライトな形式に、驚くほど密度の高いシナリオと丁寧なシステム設計を詰め込んだ意欲作、うままけ拳骨堂による『幼馴染は拘束エッチが好き?』である。
DLsite上での販売数は525本、評価点は70件の投票によって4.44点という高水準を記録している。同人スマホゲームというジャンルは、PC向け作品と比べてユーザーの間口こそ広いものの、実際の評価件数と点数の両立が難しいカテゴリでもある。その中で70件もの評価を集め、4点台中盤を維持しているという事実は、単なる題材の魅力によるものではなく、作品としての完成度が評価を裏打ちしていることを示している。本誌が注目した最大の理由も、まさにその「数字が語る誠実さ」にある。
本作のジャンルタグを並べると、連続絶頂・幼なじみ・学生・恋人同士・クンニ・拘束・潮吹き・中出しと、王道の組み合わせでありながら非常に手堅くまとまっていることがわかる。幼なじみと恋人同士という属性の重ね方は、「すでに関係が成立している二人の間に生まれる甘さと背徳感」を演出するうえで効果的な選択だ。距離が近いからこそ成立する拘束という行為、信頼があるからこそ許される濃厚な絡み——このタグ構成が単なる欲求リストではなく、関係性の設計図として機能しているところに、サークルの作劇センスが垣間見える。
スマートフォンに特化したゲーム形式であることも、本作の体験を語るうえで欠かせない要素である。スマホゲームとして設計された同人作品は、タッチ操作との親和性を意識したUI・演出設計が求められる。画面を直接触れるという行為が、拘束やクンニといったシチュエーションに伴う「直接性」の感覚と共鳴する瞬間があるとすれば、それはスマホという媒体を選んだことの必然性である。PCのマウス操作とは異なる身体的な入力体験が、没入感の質を変えうるという点で、本作の形式選択は決して軽い判断ではない。
うままけ拳骨堂というサークル名は一見して強烈な印象を与えるが、作品の中身はむしろ情感を大切にした作風であることが評価コメントからも読み取れる。高評価を維持している作品に共通するのは、エロティックな要素の充実だけでなく、キャラクターへの感情移入を促すシナリオの「温度」である。幼なじみという関係性を軸に据えた本作が70件近い評価を積み上げている背景には、ただ刺激的であるだけでなく、プレイヤーが二人の関係をリアルに感じ取れる設計があったと考えるのが自然だ。
同人スマホゲームという市場は、まだ発展途上にある。アプリストアを経由しない独自配布という形態ゆえに、作品の発見自体にハードルが存在する中で、本作がここまでの販売数と評価を積み上げたのは、口コミと作品そのものの力によるところが大きい。編集部としては、このジャンルを牽引しうるタイトルの一つとして、本作の名前を記録に留めておきたいと考えている。スマホという手のひらの中の世界で展開される、幼なじみとの甘く濃密な時間——それがどれほどの説得力を持って描かれているか、読者自身の目で確かめる価値は十分にある。
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