今回編集部が取り上げるのは、サークルAVANTGARDEが送り出したスマートフォン向けエロ特化RPG「MARRIAGE OR PERVERT ~短小戦士とドスケベ魔法使い~」である。Android端末への最適化を果たした本作は、販売数1,227本、評価4.45点(222件)という堅実な数字を叩き出しており、同人ゲーム市場においてスマートフォン対応作品がいかに需要を持つかを改めて証明した一本だ。
本作の舞台は、ブルストヴァルツェと名付けられた小さな商業都市。街唯一の戦士ハルト・ミュラーと、幼なじみの魔法使いユリア・エルフォーフという二人の関係性から物語は始まる。まだ交際して間もなく、手を繋ぐことすら初初しい二人が、街に現れた魔物を退治する旅に出る——という導入は、王道ファンタジーRPGの文法に忠実である。しかしタイトルが示す通り、この物語は「結婚」か「堕落」かという二項対立を軸に、旅の中でヒロインが次第に変容していくさまを描いていく。
ゲームシステムとして特筆すべきは、「スケベ度」という数値による分岐構造だ。プレイを通じてヒロインのスケベ度が蓄積され、その値によって4種のエンディングが用意されている。短編RPGとして2〜3時間程度で一周できるボリュームながら、複数回のプレイを想定した周回設計が施されており、処女プレイの選択肢も含めてプレイヤーが自分の好みに合わせてシナリオを形作れる仕組みとなっている。回想モードや立ち絵の差分——ダメージによる衣装破れ、精液差分——といった細部への配慮も、作り手の誠実さを感じさせる。
ヒロインであるユリアは、性知識が乏しく自身の肢体への自覚すら薄い、いわゆる「天然系巨乳」として造形されている。その無防備さと包容力のある人柄が、本作の各Hシーンで屈辱や陵辱という展開と対置される構造は、ジャンルとして「寝取られ」「屈辱」「異種えっち」を掲げる本作の根幹を成している。スライムによる多点責め、オークとの異種えっち、盗賊による脅迫奉仕、インプたちによる連続イラマチオ、そして主人公に気づかれないよう声を押し殺すNTR展開——これだけの多様なシチュエーションを40以上のHシーンに詰め込みながら、全編を通じてヒロインフルボイスで演じるCV・おか梨衣菜の存在感は相当なものだ。卑語隠語を一切使わない無修正ボイス仕様という点も、ファンには刺さる要素である。
主人公ハルトは童貞でキスすら未経験という設定であり、ユリアの変容を知るすべを持たないまま旅が進む構造が、本作のNTR的な緊張感を維持している。プレイヤーは「守りたかった相手が堕ちていく」過程を俯瞰しながら、ゲームとして進行の主導権を握るという二重の視点を体験することになる。この設計は、単なるエロゲーとしての機能を超えて、プレイヤーの情動を巧みに操る物語体験として機能している点で評価できる。
スマートフォン向けゲームとして本作を評価するとき、エロ特化RPGというジャンルがモバイル端末の文脈にどう着地するかという問題は避けられない。本作はメッセージスキップ・ウィンドウ消し・バックログといったUIの基本機能を完備しており、スマートフォンでの読了体験を損なわない設計を実現している。場所を選ばず手軽に起動できるモバイルゲームの利点を、エロ特化というジャンルと組み合わせた際の親和性の高さを、本誌は改めて認識させられた。
1,227本という販売数と4.45点という評価スコアは、本作が単なる「数打てば当たる」式の量産品ではないことを示している。特定のジャンルにフォーカスを絞り、ヒロインのキャラクター性をフルボイスで丁寧に描きながら、複数周回を促すゲーム設計で完成度を底上げする——この方法論は、短編同人ゲームが取るべき一つの理想形として、本誌が長年説いてきた論点に合致する。AVANTGARDEというサークルの作家性と、エロ特化という割り切った姿勢が、一つの完成された体験として結実した作品として、本誌は自信を持って推薦したい。
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