今月の注目作として本誌が力強く推薦するのは、ぽいずん渾身の第13弾エロRPG「その後、勇者の姿を見た者はいない」だ。魔王を打倒した直後、未知の魔法によって女の子へと変貌してしまった勇者アステル――その一見コミカルに見える出発点から、本作は「1クールアニメをモチーフにした全12話構成」という壮大な物語へとプレイヤーを誘う。勇者として纏っていた力を失い、それでも新たな日常に溶け込みながら生きていこうとするアステルの姿は、どこか胸に迫るものがある。制作陣が「まるでアニメを見ているように進むRPG」を標榜した本作には、単なるエロゲームの枠を超えた作家性が息づいており、涙と笑いが交錯するドラマチックファンタジーとして高い完成度を誇る。ぽいずんというサークルがこれまで積み上げてきたエロRPGとしての経験と技術が、本作において一つの頂点に達したと言っても過言ではないだろう。
本作の真骨頂は、その精緻に組み上げられたストーリー構成にある。女体化したことで失われた勇者の力、復興期の世界に蔓延る穏やかな空気感――しかしそこに、魔王の消滅と共に消えたはずの「本物の魔物」が各地で目撃されるという不穏な兆しが忍び込む。ヒロインたちの涙と笑いが絡み合う群像劇的な展開は、章が進むにつれて着実に緊張感を高め、プレイヤーを圧倒的なカタルシスへと導く。12話というアニメ的な章立ては、物語に適切なテンポとメリハリを与えており、各話が完結しながらも連続する大きな物語の一部として機能している。アステルをめぐるヒロインたちの関係性が積み重なるにつれ、エロティックな描写もまた物語の必然として機能するという巧みさは、ぽいずんという制作陣の成熟を示している。
Ver.1.2.1として磨かれた完成度と、1万件超のレビューが積み上げた確固たる信頼は、本作の品質を雄弁に語る。販売本数3万件を優に超え、評価点4.45という数字は、作品が多くのプレイヤーの心に深く刻まれた証左に他ならない。体験版では音声が省かれている点には注意が必要だが、それはDLsiteの容量制約によるものであり、製品版での完全体験を妨げるものではない。感動と笑いを同時に届けることができるエロRPGというのは、決して多くはない。その稀有な一作として、本作は同ジャンルの中に輝かしい星座を刻んでいる。星を越え命運をも揺るがす壮大な物語の幕開けを、ぜひその手で確かめてほしい。
読者に届けたい一作として、本誌は迷わず本作を選ぶ。エロRPGに物語の深みと感情の揺さぶりを求めるならば、このアステルの旅路は決して外せない体験だ。同人RPG史上もっとも美しい物語と謳われる本作の真価は、実際にプレイした者だけが知ることができる。体験版から踏み込んで、アステルの運命と共に時を越える壮大な旅に出発しよう。感動の余韻が胸に残り続ける、そんな作品に出会えることの喜びを、ぜひ本作で体験してほしい。
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