【スマホ版】モンムスマスター2

サークル: 四畳半ファクトリー発売日: 2024/05/31
★ 4.68(38 件)販売数: 509
作品形式:スマホゲーム

今回編集部が取り上げるのは、四畳半ファクトリーが手がけたスマホ向けレトロRPG「モンムスマスター2」である。509本という販売数と、38件の評価から算出された4.68点という高評価スコアが、この作品の充実度を静かに、しかし雄弁に物語っている。

同人ゲーム市場において、スマートフォン対応作品はPC向けと比較してまだ少数派だ。その中でこれほど完成度の高い評価を維持しているという事実は、本誌が注目するに足る理由として十分である。四畳半ファクトリーというサークル名が持つ、どこか手作り感と親密さを想起させる佇まいは、本作のゲームデザインにそのまま反映されているといっていい。

本作の軸となるのは「モンムス」、すなわち人型モンスター娘たちとの旅である。千年の封印が解けようとしている古の大魔女グリモアを討伐するという王道の使命を背負いながら、プレイヤーは道中で出会うモンムスたちを仲間に引き入れ、パーティを編成していく。このストーリーラインは実にシンプルだが、同人RPGにおけるシンプルさとは決して手抜きではない。むしろ、プレイヤーが余計な情報処理に追われることなく、キャラクターとの関係性に没入できるよう設計された、意図的な選択である。クリアまでの目安が5時間という点も、スマートフォンというプラットフォームの特性を踏まえた現実的な設計だと評価できる。

システム面においても、本作は独自の個性を持つ。敵として登場するモンムスを全員仲間にできるという設計は、一見するとオーソドックスなモンスター収集RPGの文法に倣ったものだ。しかしここに「いちゃラブH」という要素が絡み合うことで、育成の文脈が大きく変容する。仲間にしたモンムスとエッチすることで能力強化が図られるという仕組みは、いわばラブコメディとゲームメカニクスの融合であり、プレイヤーがキャラクターに愛着を持つほど戦略的な深みも増すという二重の設計になっている。Hイベント及びCGが全30枚という数字は、5時間のプレイ時間に対して決して少なくはない密度である。

名前変更システムについても触れておきたい。モンムスに任意の名前をつけられるという機能は、一見地味に思えるかもしれない。しかしこの小さな自由が、プレイヤーと個々のキャラクターとの距離を縮める効果を持つことは、RPGデザインの歴史が証明してきた事実だ。自分でつけた名前で呼ばれるモンムスは、もはや単なる戦力ではなく、固有の存在感を帯びた「仲間」として機能する。本作がハーレム・あまあまというジャンルタグを持ちながらも、単なる性的刺激の羅列に終わらず高評価を維持している理由の一端は、こういった細部への配慮にあるだろう。

エッチなメダルという収集要素も見逃せない。世界中に散らばったアイテムを探し集め、レア装備と交換するというサブクエスト的な構造は、メインストーリーを追うだけでは得られない探索の楽しみをゲームに与えている。ドットグラフィックで描かれた世界をスマートフォンの画面越しに隅々まで歩き回る動機として、これは非常に有効な設計だ。ドットという表現形式は、現代においてむしろレトロへの憧憬とノスタルジーを刺激するものとして機能しており、本作の「昔ながらのレトロRPG」という自己規定と完璧に一致している。

着衣・逆レというジャンルタグが示すように、本作は単純なファンタジー冒険譚には収まらない多層的なエロス表現を持つ。しかしその表現がハーレムやラブラブ・あまあまといった親密さのタグと共存していることは、攻撃的な描写よりも関係性の豊かさを重視した作風であることを示唆している。モンムスという存在が持つ異種族としての魅力と、それでもなお通じ合う温かさ——この組み合わせこそが、本作の世界観を支える柱だと本誌は見ている。

スマートフォンという土俵で、レトロRPGの文法を丁寧に守りながら、独自のキャラクター愛とエロスを組み込んだ本作は、四畳半ファクトリーの誠実な仕事ぶりを体現した一本だ。4.68という評価点は、ユーザーの満足が数字として結晶化したものであり、509本という販売数はその評判が口コミとして静かに広がったことを物語る。手のひらの上で展開するモンムスたちとの旅が、どれほど豊かな時間をもたらすか——それはプレイした者だけが知る、この作品固有の体験として残り続けるだろう。

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