今月の注目作として本誌が選んだのは、サークル「なんとかやってみよう」による「Motor home」だ。借金とポルノ配信という設定が醸し出す退廃的な雰囲気は、エロゲームとしては異色の重厚さを持っている。妻を失い自堕落な生活に沈んだ中年男性と、純粋に父を支えようとする娘ジェシカ——この二人の関係の行方を描くドラマ性が、評価4.44、販売数一万一千八百本超という実績を生み出した。
本作の真骨頂は、「欲望のままに生きるか、真面目に生きるか」というプレイヤーへの問いかけにある。欲望ルートを選べばHシーンが増え、更生ルートを選べばジェシカとの健全な関係が育まれる——このモラル的な分岐が、単なるシチュエーション集を超えた物語の厚みをもたらしている。羞恥心と視聴者不満度というパラメータのバランスを取りながら進む配信シミュレーション部分は、独自のゲームメカニクスとして機能している。
断面図やぼて腹・妊婦という要素の存在と、キャラクターとしての切実な背景設定の共存は、このゲームが持つ独特の緊張感を生み出している。体格差・近親・ツルペタという組み合わせは特定の需要を持つファンに向けた明確な作品設計だ。「1プレイ1、2時間の短いシナリオ」という手軽さも、気軽に体験できる入り口として機能している。音声追加版・音声追加DLCという展開も含め、作者の作品への愛着が感じられる。
読者に届けたい一作としてこの作品を推薦する理由は、退廃とエロが混ざり合った独特の情緒にある。モーターホームというアメリカ的な設定、マフィアと借金という舞台装置が、日本の同人エロゲームに珍しい異国情緒をもたらしている。AIを部分的に使用しながらも核心部分は手作りで仕上げたという誠実さも、この作品の誇るべき点だ。複雑な感情が入り混じる官能体験として、記憶に残る一本になるだろう。
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