今回編集部が取り上げるのは、Pink Cafe Artが送り出すAndroidアプリ版アクションRPG「ハニーヴィレッジ」——714本の販売実績と30件の評価から算出された4.83点という驚異的なスコアが、作品の完成度を雄弁に語っている一作である。
スマートフォン向けの成人向け同人ゲームというジャンルそのものが、まだ黎明期にある市場であることは本誌読者もご存知の通りだ。PCブラウザやWindowsアプリが主流を占めるなかで、Androidネイティブのアクションゲームとして本作が放つ存在感は格別である。まず触れておきたいのは、このサークルがスマートフォンというプラットフォームの制約を言い訳にせず、フルアニメーションのエッチシーンを全編にわたって実装したという一点だ。PCタイトルでも「一部シーンのみアニメーション」という仕様が珍しくないなか、妥協を排したこの姿勢が高評価の根幹にある。
物語の導入はシンプルながら巧みである。主人公は気づけば見知らぬ森の中で目を覚ます。目の前にはオークに追われる小さな妖精——助けを求める彼女から「この世界を救ってほしい」という壮大な依頼を持ちかけられる構造は、異世界ファンタジーRPGの王道をしっかりと踏まえている。しかしそこに「世界中の女の子を好きにしていい」という破格の特権が上乗せされることで、物語は一気に本作ならではの色彩を帯びる。救世主という肩書きと、あらゆる欲望を許容する世界設定——その組み合わせが生み出すのは、プレイヤーに対して「何をしてもいい」という全面的な自由の保証である。
本作の最大の特徴として編集部が注目したのは「超フリーダム」という設計思想の徹底ぶりだ。敵も味方も問わず、プレイヤーは任意のタイミングで任意の相手に行動を起こせる。女の子の悩みを真摯に解決する義侠的なプレイも、街中で見かけた相手を衝動のままに押し倒す刹那的なプレイも、どちらも等価に許容される。これはゲームデザインとして極めて野心的な選択であり、通常のRPGが持つ「ストーリーの正しい進め方」という規範を意図的に解体している。プレイヤーの行動に優劣をつけない——この哲学が、ゲームに独特の解放感をもたらしている。
キャラクターの多様性もまた本作を語る上で外せない要素だ。エルフ、スライム、サキュバス、インプ、獣人(ウサギ族)といった多種多様な種族が登場し、それぞれ異なる外見・体型を持つ女の子たちとの絡みが描かれる。特筆すべきはモブキャラクターの扱いで、ユニークキャラ以外は全員が自動生成される仕様を採っており、エッチシーンにもその生成データが反映される。つまりプレイするたびに異なる個性を持つキャラクターが世界に存在することになり、世界の「生きている感」を演出する技術的工夫として機能している。
さらに個性的なのがゴブリン族の存在だ。この世界においてオスはほぼ存在しないという設定のなかで、ゴブリン族のみが例外的にオスとして生息している。道中で彼らが女の子を襲う場面に遭遇することもあれば、プレイヤーが自ら女の子をゴブリンの群れに委ねるという選択肢も存在する。これはプレイヤーに「守護者」と「傍観者(あるいは加担者)」の二面性を与えるゲームデザインであり、道徳的葛藤をゲームプレイに持ち込む試みとして機能している。なお、ゴブリンの行動に関する描写は設定から調整が可能であり、プレイヤーの嗜好に応じてカスタマイズできる点も丁寧な配慮といえる。
「拘束魔法アイテム」という要素も、本作のフリーダム設計を支える重要なギミックである。倒した相手にアイテムを使用することで、あられもない姿のまま任意の場所に固定することができる。街の中、ゴブリンの縄張り付近——場所の選択自体がプレイヤーの意思表示となり、世界への関与の仕方を多様化させる。単なるエロ要素ではなく、ゲームプレイの戦術的・演出的な幅を広げるシステムとして組み込まれている点が、本誌が本作を技術的にも評価する理由のひとつである。
総評として、本作はスマートフォンというプラットフォームでここまでの完成度と自由度を実現した稀有な一作だ。4.83という評価スコアは伊達ではなく、プレイした30名がほぼ全員に近い満足を得ていることを示している。フルアニメーション、自動生成キャラ、多種族、フリーダム設計——それぞれの要素が噛み合い、ひとつのゲームとしての密度を高めている。「超フリーダム」を標榜するゲームは多いが、その言葉を本当の意味で体現しているかどうかは別問題だ。本作はその言葉に正直であり続けた結果として、この高評価を手にしたといえるだろう。
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