今回編集部が取り上げるのは、同人ゲームシーンにおいてスマートフォン向け成人向けRPGというニッチな領域を着実に開拓し続けるサークルAVANTGARDEの意欲作、「爆乳エルフ嫁と早漏くん ~催○寝取られ盗み見録~」Android版である。
販売本数は992本、評価スコアは169件を集めて4.64点という数字が示すとおり、本作はリリース後も継続的に支持を獲得し続けている作品だ。同ジャンルの競合作品が乱立するなかでこれほど安定した高評価を維持するには、それ相応の理由がある。本誌はその理由を、物語・演出・システムの三軸から解き明かしていきたい。
まず本作が他の催眠・寝取られゲームと一線を画しているのは、その物語設定の緻密さである。舞台は1911年、架空の地方都市。主人公「エリオ」は政治家として機関紙の編集長に選ばれるほどの実力者であり、エルフの妻「ロレッタ」はその有能な秘書として夫を支えるという、堅実な夫婦像が丁寧に描かれる。この「幸福な日常」を序盤でしっかりと積み上げることが、後の崩壊劇をより鮮烈に際立たせる構造的な仕掛けとして機能している。
同党員「ファブロ」という闖入者の登場によって、物語は静かに、しかし確実に不穏な方向へと舵を切る。催眠という題材は同ジャンルにおいて珍しくないが、本作が秀逸なのは「認識変更」「身体だけが強制的に動く」という複数の催眠シチュエーションを使い分け、ヒロインの意志と肉体の乖離を丁寧に描いている点だ。これは単なる陵辱描写に留まらず、ロレッタという人物の内面的葛藤を読者に体感させる演出として機能している。
視点設計においても本作は周到だ。主人公であるエリオの視点とヒロインであるロレッタの視点、双方から同一の出来事を体験できる構成は、「盗み見録」というサブタイトルの意味するところを体現している。被害者であるはずの主人公が傍観者として妻の変容を目撃するという構図は、このジャンルが持つ倒錯的な魅力の核心に触れるものであり、プレイヤーに複雑な感情を喚起させることに成功している。
技術面では、基本CG20枚に加えて15種類のアニメーションが用意されており、スマートフォン向けタイトルとして十分な物量だといえる。ヒロインのHシーンフルボイス対応も、没入感の向上に大きく寄与している。立ち絵の服装変更機能や回想モード、エンディング分岐といったシステム面の充実も見逃せない。メッセージスキップやバックログといった基本機能をきちんと押さえながら、複数周回を前提とした作りになっている点は、プレイヤーへの誠実さの表れだろう。
1911年という時代設定は、このジャンルでは珍しい試みである。近代初頭の政治的な空気感、身分や社会的立場が人間関係を縛る時代性が、催眠・寝取られという題材に独特の重みとリアリティを与えている。ロレッタがエルフという非人間族である設定も、「同化できない異質さ」という孤立感を人物造形に組み込む巧みな選択だ。
約千本に迫る販売本数と4点台後半の評価点は、決して偶然の産物ではない。AVANTGARDEがこの作品で提示したのは、スマートフォンという限られたプラットフォームでも、物語の密度と演出の質で勝負できるという証明である。同ジャンルに精通した読者であれば、本作の設計思想の丁寧さに気づくはずだ。編集部としても、Android向け成人ゲームの完成度を語る上で本作は外せない一本として、その名を記しておきたい。
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