【Android版】怪盗エフィー

サークル: やまなし娘。発売日: 2022/10/26
★ 4.61(958 件)販売数: 9,224
作品形式:スマホゲーム

今回編集部が取り上げるのは、やまなし娘。によるスマートフォン向けアクションRPG『怪盗エフィー』だ。販売数9,224本、評価点4.61点(958件)という数字は、同人スマホゲームの世界においても指折りの実績と言っていい。単にエロゲームとしての需要に応えるだけでなく、ゲームとしての骨格がしっかりと組まれているからこそ、これほどの評価を積み重ねることができたのだと本誌は見ている。

昼は酒場の看板娘、夜は颯爽と街を駆ける怪盗——この二重生活という設定が、作品全体のトーンを決定づけている。主人公エフィーは昼間の姿と夜の姿とで性格が一変するという造形であり、おとなしく気弱な少女と、能天気なほど陽気な怪盗という対比が、プレイを通じて一貫したキャラクターへの愛着を育む。この昼と夜の切り替えはゲームシステムにも直結しており、昼モードでは酒場に訪れる客から情報収集を行い、夜モードではその情報を武器にダンジョンへと潜入する。単なる背景設定ではなく、ゲームプレイサイクルに組み込まれたデザインであることが、作品としての完成度を底上げしている。

戦闘面においても、やまなし娘。らしい遊び心が光る。エフィーが使える魔法は強力であり、面倒なレベル上げを必要としない設計になっている。ところが魔法を使うたびに服が脱げていくという仕掛けが盛り込まれており、爽快感とエロスが同一のアクションに紐づいている。MPの残量管理が発情値上昇に直結するという連鎖構造も秀逸だ。強さと羞恥が表裏一体であるというこの設計は、ただのご褒美シーンではなく、プレイヤーがゲームメカニクスそのものを通じて物語を体験するための仕掛けとして機能している。

ステルス要素もまた、本作の魅力を語る上で外せない。敵の視界を避けながら潜入するという緊張感があり、うさぎに変身することで敵に発見されなくなる回避手段も用意されている。背後からの奇襲攻撃によって戦闘を回避しながら経験値とアイテムを得るという選択肢も存在し、プレイヤーはただ強引に突き進むのではなく、状況を読みながら立ち回ることが求められる。こうした複数の行動選択肢が用意されているという事実は、このゲームが「抜きゲーの皮を被ったアクションRPG」ではなく、両軸を真剣に設計しようとした作品であることを示している。

淫乱度という概念も、本作を語る上では重要な軸だ。敵や罠によってHな目に遭うほど淫乱度が上昇し、見られるイベントが変化するとともに最大MPも伸びていく。つまり「堕落」が一方的なペナルティではなく、プレイヤーにとっての「成長」の別面として機能しているのである。この設計は倫理的な是非ではなく、ゲームデザインの観点から見て明確に意図された仕組みだ。純潔を保ちながら進むか、積極的に淫乱度を高めて能力を解放するかという選択が、プレイスタイルの多様性を生み出している。

キャラクター造形においても、やまなし娘。の筆力は際立っている。エフィーのライバルとして登場するレンは、伝説の義賊に憧れる少女でありながら、いつもドジを踏んでエッチな罠に引っかかるという役回りだ。エフィーに助けられるたびに悔しがるというキャラクター性は、ギャグとエロスと人間関係を同時に描く媒体として機能しており、一人のキャラクターとして記憶に残る存在感を放っている。ボイス面では野中みかんがエフィーの昼夜両面を担当し、砂糖しおがレンを演じることで、感情の起伏が豊かに表現されている。特にHシーンでの喘ぎ声ボイスは作品の没入感を大きく高めており、声優陣の起用が作品クオリティの核となっていることが伝わってくる。

本誌がこの作品を高く評価する理由は、単なる数字の大きさではない。9,000本を超える販売実績と4.61という高い評価点は、プレイヤーが「期待通りのものを受け取った」という満足感の積み重ねを示している。それは言い換えれば、やまなし娘。がプレイヤーとの約束を果たし続けてきた証左だ。怪盗もの特有のスタイリッシュな世界観、日夜の切り替えによるゲームサイクル、MP・発情値・淫乱度という三層のリソース管理、そしてボイスによる演出——これだけの要素が一本のスマホゲームに凝縮されているという事実を、今月の注目作として本誌はここに記しておきたい。エフィーは今夜も、街の夜を駆ける。その背中を追うことが、このゲームの醍醐味である。

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