今回本誌が取り上げるのは、Playmeowが手がけたAndroid向けアダルトビジュアルノベル「性奴○志願少女」である。646本という販売実績と、30件の評価から算出された4.23点という高評価スコアを引っ提げ、スマートフォン向け成人向けゲーム市場に確かな爪痕を残した一作だ。
物語の中心に立つのは、かおり・銭という名のヒロインである。彼女が暮らす「黄金荘」は、上流社会の男たちを喜ばせるために設えられた特殊な環境であり、金銭さえ介せばあらゆるサービスが提供されるという、現実から少し切り離された閉鎖的な世界だ。かおりはそこで「お嬢様」の地位を手に入れ、甘い容貌と性への習熟を武器に、荘園の住人たちと耽溺した日々を送ってきた。荘園の主・ロンガオ・銭に養女として迎えられ、五大企業の御曹司との政略的な婚姻を課せられるというプロットは、表面上はよくある富豪令嬢ものに見えるかもしれない。だが本作が秀逸なのは、そうした外枠の中にかおり自身の切実な感情を丁寧に縫い込んでいる点である。
カーター家の御曹司テッド・カーターと出会い、彼を心から愛するようになったかおりは、「荘園の女」としての役割と、「愛する人と普通の人生を歩みたい」という一人の女性としての願望との狭間で葛藤する。断る権利すら与えられていない境遇の中で、彼女が選択肢ごとに見せる判断の揺らぎや内面の機微が、このゲームに単なる官能作品を超えた読み応えをもたらしている。67,000文字に及ぶゲームテキストの量も、その物語密度を裏付けるものだ。
本誌が特に評価したいのは、POV型AVGという形式の選択だ。プレイヤーはかおり自身となり、彼女が欲望のままに耽溺していく様を一人称視点で体感することになる。これにより、単にキャラクターを外側から眺める従来の立場とは異なる没入感が生まれる。プレイヤーはかおりの快楽も、彼女が秘めた恋情も、すべて自分自身のこととして受け取ることになるのだ。フェチ・連続絶頂・色仕掛けといったジャンルタグが示す通り、官能描写の密度は高く、130枚以上の差分を誇るCGはその体験をビジュアル面から強力に後押しする。
システム面においても、本作は手堅い作りを見せている。高速テキストスキップ機能の搭載は、ストレスなく周回プレイを行いたいユーザーへの配慮として機能しており、選択肢を絡めたストーリー分岐やボーナスゲームの存在が、一周読み終えた後も再プレイへの動機を維持させる。フルCGモードをONにすることで鑑賞モードとして使えるという設計も、コレクション欲を刺激する作りだ。スマートフォンというプラットフォームに最適化されたUI設計は、出先での利用を想定した同人ゲームとして完成度が高い。
さらに注目すべきは多言語対応の徹底ぶりである。日本語・英語・繁体字・簡体字・韓国語・タイ語・ドイツ語・ロシア語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語という11言語にテキストが翻訳されており、音声は日本語で統一されている。海外ユーザーへのアクセシビリティをここまで意識した同人作品は多くなく、Playmeowというサークルのマーケティング視野の広さが伺える。この点だけでも、本作が単なる一発作品でないことは明らかだ。
4.23点という評価スコアは、ビジュアルノベル市場においては堅実な水準にある。特に成人向けスマートフォンゲームというニッチな区分の中では、これだけの支持を集めること自体が容易ではない。官能性と物語性を両立させ、スマートフォンの操作感に最適化されたシステムを整え、なおかつ多言語展開で国際的な読者層まで射程に入れる――そうした複数の要素を一作に収めたPlaymeowの手腕を、編集部は率直に評価する。かおりという女性が自らの境遇と向き合いながら愛を求めて歩むその物語は、官能描写の奥に確かな人間ドラマを持つ作品として、このジャンルの棚に長く残り続けるだろう。
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