今回編集部が取り上げるのは、サークル「crotch」が手がける離島サバイバルRPG『もう我慢できない!』のスマートフォン版だ。販売数は1,595本、評価点は4.24点(105件)と、同人ゲーム市場においても安定した支持を集めている本作は、エロティックなコンテンツとしっかり作り込まれたゲームデザインという二軸を高い次元で融合させた意欲作である。
物語の発端は、部活動の一環として孤島へキャンプに向かう途中の海難事故だ。円城寺桜子、エリー・マルティネス、日景千鶴、青井しずくという個性豊かな4人の少女たちは、嵐のような混乱の中で海へ投げ出され、見覚えのない砂浜へそれぞれ流れ着く。人影のない廃棄されたような島に一人取り残された桜子が、仲間たちを信じて歩みを再開するという序盤の描写は、ありきたりな無人島ものに留まらない物語的な温もりをプレイヤーに与えてくれる。生存への切実さと、仲間を探したいという感情的な動機が明確に提示されており、シナリオの導入としては及第点以上の完成度だ。
ゲームの根幹を支えるのは、本格的なサバイバルメカニクスである。体力と水分という二つのパラメータが常に減少し続ける中で、プレイヤーは野苺や木の実を収集しながら生命を維持していく。さらに「コンディション」という独自ステータスが登場し、焚き火で体を温めることで回復が可能となる。この焚き火には「小さな焚き火」と「大きな焚き火」の区分があり、生肉の調理が可能なのは後者のみである。生食を続けるとお腹の痛みが生じ、飲み薬の調合か就寝による回復が必要になるというリアリズムは、単純なステータス管理を超えたゲームプレイの奥行きを作り出している。
クラフトシステムも見どころの一つだ。島内に散らばる素材を集め、メニュー画面の「ものづくり」から武器やアイテムを制作する流れは、いわゆるクラフト系サバイバルゲームの文法に沿いながらも、同人ゲームという制約の中でよくまとまっている。簡易武器から始まり、小屋の作業台を使うことでより強力な装備やはしごといった移動補助アイテムも制作できる。パーティ人数が多い状態で蔓を登るとコンディション消費が増えるという細部の設計も、ゲームとしての真摯な作り込みを感じさせる。
そして本作を他のサバイバルRPGと決定的に区別するのが、排泄という行為をゲームプレイのメカニズムそのものに組み込んでいる点である。お腹が痛む状態を解消する手段として排便が明示的に機能しており、それが作品のジャンルタグ——放尿、スカトロ——とも直結している。本誌が特筆したいのは、このアダルト要素が単なる閲覧コンテンツとして貼り付けられているのではなく、サバイバルというテーマと有機的に結びついている点だ。野外での生活を余儀なくされた少女たちが「我慢できない」場面に直面するという設定の自然さが、ジャンルとしてのリアリティを保つ巧みさを示している。基本HCGは70枚と、この規模の同人作品としては充実した量である。
スマートフォン対応という点も、この作品の評価を語る上で外せない。PCゲームとして開発された本作をモバイルプレイに最適化したことで、通勤・移動中といった隙間時間でのプレイが現実のものとなった。サバイバルRPGというジャンルは、プレイヤーが少しずつ進捗を積み上げる構造上、細切れプレイとの相性がよい。その点で本作のスマホ版展開は、コンテンツとプラットフォームの選択として理に適っている。
評価点4.24という数字は、単なる平均値ではなく、この作品が確かな熱量のあるユーザー層に受け入れられた証左だ。105件という評価件数は同人ゲームとしても相応の規模であり、販売から一定期間を経てもなお評価が積み上がっていることが、作品の持続的な魅力を物語っている。サバイバルRPGとしての骨格の堅牢さと、ニッチなジャンルへの確信を持ったアプローチ——その掛け算が、1,595本という実績の背景にある。同人ゲーム市場の奥深さを改めて実感させてくれる一本として、本誌はこの作品の存在を記憶にとどめておきたい。
当サイトは18歳以上を対象とした
同人作品レビューサイトです。
あなたは18歳以上ですか?