今回編集部が取り上げるのは、むに工房が手がけるAndroidスマートフォン向けBFRPG「Lust Friend」である。評価点4.77(52件)、販売数539本という数字は、同人スマホゲームという競争の激しい市場において決して小さな成果ではなく、その高い完成度を無言のうちに証明している。
本作の舞台は、淫魔たちが生活する異世界だ。ある日突然、その世界へと召喚されてしまった主人公が、黄色い髪をした淫魔フェッセに出会うところから物語は幕を開ける。フェッセが建造を進めている施設「フェッセタワー」の完成を手伝うことと引き換えに、元の世界へ戻る約束を取り付ける——という導入は、シンプルでありながら二人の関係性に必然的な温度を与えている。目的と感情が交差する構造は、単なるエロゲーRPGの枠を超えた読後感を生む土台として機能しており、このあたりにむに工房の物語設計の巧みさが見て取れる。
ゲームシステムの核心として特筆すべきは、戦闘中に積み上げるコミュニケーション要素の存在だ。オーソドックスなBFRPGでは「戦う」か「逃げる」かが基本的な選択肢であるが、本作では会話を重ねることで淫魔と交友関係を結び、戦闘を平和的に終結させるルートが開かれる。これは単なるギミックではなく、ゲーム全体の空気感を柔らかくする重要な仕掛けである。敵として立ちはだかる淫魔たちが、対話によってキャラクターとして立体化していく過程は、プレイヤーに戦闘の緊張とは異なる種類の興味を持続させる。本誌が本作を「ゲームとして誠実に作られた作品」と評価するのは、この点が大きい。
エロコンテンツの密度もまた、評価の高さを裏付けるに十分な水準だ。登場する敵キャラクターは40以上、総CG枚数は50枚以上に達し、全敵キャラクターに個別の敗北Hシーンが用意されている。シチュエーションはほぼ全て女性上位であり、おっぱいプレイを軸に据えた構成が一貫している。さらに、同じ淫魔に2度敗北した場合にはキャラクターごとの敗北エンディングへと移行するという仕様は、コレクション要素としての魅力を高めるとともに、プレイヤーが意図的に特定の淫魔との関係を深めたいと思わせるデザインとして機能している。逆転無しのジャンル属性が示す通り、主人公が終始追い込まれる立場に置かれるため、受動的なシチュエーションが持つ独特の没入感は非常に高い。
スマートフォンでプレイすることを前提とした設計においても、むに工房の配慮が随所に感じられる。ゲーム中にいつでも難易度を変更できる柔軟な仕組みは、ライトプレイヤーからコアユーザーまでを広く受け入れる間口の広さを生んでいる。全解禁やさくさくプレイ用アイテム、回想部屋といった機能の充実は、忙しい社会人がスキマ時間にプレイするスマホゲームとして理想的な親切設計だ。プレイ体験の障壁を下げながら、コンテンツの密度は妥協しないという姿勢は、同人作家としての覚悟の表れと見ていい。
前作「Lust Grimm」の世界観を引き継ぎつつも、未プレイ者が単独で楽しめるよう物語が設計されている点も見逃せない。続編でありながら独立作品として機能させるというのは、脚本上の技術的な難易度が高く、それをさらりとやってのけている事実は、むに工房が積み上げてきた創作力の深さを物語っている。
評価4.77という数字は、50件を超えるレビューの集積から生まれた信頼の結晶だ。AndroidというプラットフォームでBFRPGのジャンルを攻め、コミュニケーション要素という独自の軸を打ち立て、コンテンツの量と質の両面で水準を超えてきた。本誌編集部としては、このジャンルに興味を持つ読者であれば、まず手に取る価値のある一作として強く推薦したい作品である。むに工房が築いてきた世界観の豊かさと、プレイヤーへの誠実さが静かに、しかし確かに伝わってくる——そういう作品が今月の注目作として本誌の誌面を飾ることを、編集部一同、誇りに思う。
当サイトは18歳以上を対象とした
同人作品レビューサイトです。
あなたは18歳以上ですか?