今回編集部が取り上げるのは、サークル・モフ屋が手がけたスマートフォン向け成人向けADV「GARDEN」である。1,477本という販売実績と、113件の評価から算出された4.58点という高スコアは、この作品が単なる話題作にとどまらず、実際にプレイヤーの手に渡り、繰り返し支持を集めてきた証左に他ならない。本誌がこの一作を特集として組む理由は、数字の強さだけではない。スマートフォンというプラットフォームを選んだことで生まれた独自のプレイ体験と、そのゲームデザインの完成度にある。
本作の基本的な構造は、女子高生の主人公が突如として背負わされた借金という重い枷のもとで、あらゆる手段を駆使して資金を集めていくというものだ。援助交際、際どいライブ配信、さらには意図せず巻き込まれる事態まで、主人公が置かれる状況は多岐にわたる。こうした設定を聞くと、ただ刺激的なシーンを羅列した作品を想像するかもしれないが、GADRENが編集部の目に止まったのはその構造にある種の必然性があるからだ。借金という明確な目標が存在することで、プレイヤーの行動には常に動機が伴う。達成感と背徳感が同時に押し寄せてくるこの感覚こそ、本作を単なるシーン集から隔てる核心である。
ゲームシステムとしてはマップ探索型のアドベンチャーゲームという形式を採用しており、戦闘やレベルアップといったRPG的な要素は一切排除されている。この判断は極めて的確だったと言えるだろう。戦闘システムの煩雑さを切り捨てたことで、プレイヤーは物語と選択に集中できる。フィールドを歩き回り、人物や場所と接触しながら状況を打開していく設計は、スマートフォンの操作感との相性も良く、電車の中や移動中といった細切れの時間にも馴染む。スマホ版として展開されたことの意義がここに集約されていると見てよい。
ビジュアル面においては、基本CGが27枚、差分を含めると約150枚という数字が示す通り、一枚一枚のCGが相当な密度で活用されている。黒髪の女主人公というキャラクターデザインは清楚さと危うさを同居させており、ジャンルとして掲げられた諸要素を描く際の説得力を高めている。イラストの質についても、評価スコアの高さが物語っているように、プレイヤーから一定以上の支持を得ていることは疑いない。差分の多さは、同じシーンでも複数のバリエーションを楽しめることを意味しており、ボリューム感の演出においても効果的に機能している。
ジャンルとしての援交・売春系作品は同人ゲーム市場においても一定の需要を持ち、競合作も少なくない。そのなかでGARDENが1,400本超えの販売数と4.5点超の評価を維持していることは、他との差別化に成功しているという事実を意味する。その要因として本誌が推察するのは、強引にシーンを詰め込む作りを避け、プレイヤーが状況を追いながら主人公の心情と選択に寄り添える構造を丁寧に設計した点にある。借金返済という共通目標がゲームプレイ全体を貫くことで、場面転換のたびに生まれる緊張感が途切れない。
スマートフォンで遊ぶ成人向けADVというジャンルが着実に拡張されつつある現在、GADRENはその最前線に位置する一作として本誌が自信を持って推薦できる作品だ。モフ屋というサークルの丁寧な作り込みが、数字となって如実に現れているこの一本は、探索型ADVの醍醐味と成人向けコンテンツの充実を高次元で両立させた佳作として、記憶に刻まれるに値する。
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