今回編集部が取り上げるのは、からあげカンパニーによるスマホ向けアドベンチャー「君が好き。だから、寝取られます。」である。販売本数985本、評価4.41点(49件)という数字が示す通り、特定のジャンルを深く愛するプレイヤーたちから着実な支持を集めた作品だ。
寝取られ・寝取らせというジャンルは、同人ゲームの世界においても一定の根強いファン層を抱えており、その中でいかに「語り口」と「キャラクター造形」で差別化を図るかが、作品の品質を左右する。本作はその点において、なかなか鋭い判断をしている。単なる堕落譚ではなく、「彼氏への愛情は揺るがない」という軸を最後まで保ち続ける主人公・唯の存在が、本作のすべてを支えているからだ。
唯というキャラクターについて、もう少し掘り下げてみたい。クラスでは目立たない文学少女という設定は、一見ありきたりに思える。しかし本作はその外面に反して、彼女の内面に「Mの資質」と「彼氏への一途な愛情」という二つの軸を丁寧に配置することで、プレイヤーが感情移入しやすい人物として仕上げている。彼氏が寝取らせ性癖に覚醒するという展開も、強引なご都合主義ではなく、二人の関係性の変容として物語の文脈に溶け込ませているのが巧みである。嫉妬心が激しい求愛行動へと変わった彼を「可愛い」と感じ始める唯の心理描写には、このジャンルならではの倒錯した甘さがある。
ゲームとしての設計も評価に値する。主人公の行動によってステータスが変動し、展開されるHシーンの内容が変化するという仕組みは、プレイヤーに「自分がこの物語を動かしている」という感覚を与える。どこまで踏み込ませるか、あるいは踏みとどまらせるか。彼氏からのメッセージに応じるか、不良のもとへ赴くか。こうした選択の積み重ねがキャラクターの「状態」を形成していく構造は、アドベンチャーゲームとして誠実な設計思想だと言える。ゲームプレイに慣れていないプレイヤーや、物語よりもシーンそのものを楽しみたいというユーザーのために全シーン開放機能を用意している点も、ユーザー層への配慮として好感が持てる。
Hシーンのバリエーションについても、本誌として触れておく必要があるだろう。報告しながらの慰めH、行為の比較を交えた言葉責め、覗き見しながらのオナニー、そしてハメ撮りを二人で鑑賞するという構成は、単なるエロシーンの羅列ではなく、「彼氏との関係性を軸にした寝取らせ体験」という一貫したテーマのもとに整理されている。それぞれのシーンが物語の段階に対応しており、徐々にエスカレートしていく構成は、このジャンルのファンが求める「過程の快楽」をしっかりと理解した作りだ。
スマホというプラットフォームへの最適化という観点でも、本作はある種の挑戦をしている。テキストと画像を中心としたアドベンチャー形式はスマホとの相性が良く、隙間時間でも物語に没入しやすい。黒髪・メガネ・制服という視覚的記号の組み合わせは、キャラクターの「清楚感」を演出するうえで効果的に機能しており、スマホ画面の縦長フォーマットでもその魅力は十分に発揮される。
評価4.41点という数字は、このジャンルに対して懐疑的なレビュアーが混在する中でこれだけの支持を集めたという事実を意味する。本作が同ジャンルの入門として機能しうる可能性も、編集部としては見逃せない点だ。ストーリーが極端に破壊的・暴力的な方向へ振り切れることなく、あくまで「二人の関係性の変容」を中心に据えているため、このジャンルに初めて踏み込むプレイヤーにも比較的受け入れやすい入り口となっている。からあげカンパニーというサークルが持つ、キャラクター描写への真摯な姿勢が、この安定した評価を支えているのだろう。一本の作品としての完成度と、ジャンルへの深い理解。その両立が、985本という販売実績に素直に現れている。
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